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「じゃあ慶一郎くん、ゆっくりしてってね〜」
「はい、ありがとうございます」
リビングに向かえばほんとにけいちゃんがいて、聞かされてたのにびっくりしたと同時に余計になんで来たんだろうって思う。
「けいちゃん、どうしたの？連絡もなしに来るなんて珍しい」
「んー、Aとちょっと話したいなぁって思ってさ」
けいちゃんが私と話したいことってなんだろう。
何かあったっけなぁ。強いて言うならけいちゃんに借りてた本をまだ読み終わってなくて返してないことぐらいだけど。
「いや、ほんとにどうでもいいことだけどさ」
「うん」
「最近、Aとシゲ仲いいね」
「…ん？」
「え？」
言われたことがあまりにも予想と違って思わず聞き返してしまう。
ん？と反応をした私を見てけいちゃんも目を丸くする。
なんかこういう感じ、久々な感じがする。
「え、けいちゃんそれ聞くために来たの？」
「ん、まぁそんなもんかなぁ」
「…さすがの行動力だね笑」
「っはは笑 たしかにね笑」
そういえば冷蔵庫にエクレアあるんだけど食べる？と聞けば私が言い終わらないうちに「え！？食べる食べる！」ってテンション高めに言うけいちゃん。
なんだか、この雰囲気が懐かしい感じがする。
結局、けいちゃんはエクレアとお母さんが作った夜ご飯を食べて、一緒に課題をしてから帰った。
よく、『男女2人が部屋に2人きりで何も起きないのか』って言われるけど、私とけいちゃんはほんとに何も起きない。
でも、けいちゃんと2人でいることに愛菜や加藤くんに罪悪感を抱えた。
「…じゃあ俺帰るね」
「うん」
「おばさんによろしく伝えといて」
「けいちゃんも、おばちゃんによろしくね」
「分かった笑 じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
玄関までけいちゃんを見送る。
玄関のドアが閉まった途端、家中がシーンとしてしまってなんだかさびしかった。
リビングに戻るとちょうど携帯がピコンピコンッと連続して鳴る。
けいちゃんと……、加藤くんからLINEが来ていた。
『けいちゃん : 数学の教科書忘れてったかも
明日学校に持ってきてくれる？』
けいちゃんからはそう入ってたから了解！とスタンプを送る。
『加藤くん : 明日の朝、一緒に行かない？』
少し迷って、『行きたい』と返事をする。
少ししてから『じゃあ改札前で待ち合わせしよう』と入ってきた。
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
