検索窓
今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:12,630 hit

13. ページ15

.




「ありがとね、A」

「ううん。こっちこそありがとう」




さっき買った飲み物を飲みながら駅までまた2人で歩く。

あまりにも暑いから、時々私のハンディファンを貸したりしながらゆっくり歩く。


ハンディファンをもってる私を見て「ちゃんと女子なんだね笑」と笑われたことは恐らく色んな意味で一生忘れない。


……というか、加藤くんは私のことを笑いすぎだと思う。

なんでそんな笑われるんだろうかと不思議で仕方ない。




「…ここまでで大丈夫?」

「だって加藤くん、家の方向反対じゃん」

「そうだけどさ、何かあったら困るし、」

「じゃあ、何かあったらすぐ加藤くんに電話かける」

「うん、そうして」




加藤くんって優しいよなぁと思いながら駅の改札を抜ける。

駅を出て、少し歩いた先にある交差点。

ここで私と加藤くんは真逆の方向に向かう。
言わば分岐点みたいなところ。




「…ねぇ、」

「なに?」

「なんで、加藤くんってそんなに優しいの?」




私がそう言えば少し困った表情をする加藤くん。

加藤くんに聞いたって、明確な答えが返ってくる訳じゃないのに聞いてしまった。


少しだけ、申し訳ない気持ちになる。




「……ほっとけないから、かな」

「ほっとけない?」

「うん。なんか、Aはほっとけない。あと、一応だけど彼女だしね」




加藤くんのその言葉を聞いて、そういえば加藤くんの彼女(仮)なんだなぁってことを思い出す。


それを忘れるくらい、自然と加藤くんと話せていたんだと思って安心する。




「……その顔は彼女ってこと忘れてたでしょ笑」

「え」

「やっぱね笑 A、すぐ顔に出るから笑」




それについては多少の自覚はあるけど、そんなに加藤くんにバレていると、けいちゃんに私の想いがバレてないかまた心配になる。

でもけいちゃんは、変なところで鈍感だから気づいてなさそう。




「ほんっとに何かあったら電話してよ?」

「分かった笑 じゃあ、明日ね」

「うん」




そう言って横断歩道を渡った後に、加藤くんが軽く手を振るから、少し恥ずかしいなと思いつつ、私も手を振り返す。


そしたら、たまたまその様子を見ていた小さい女の子に「おねえちゃんは、あのおにいちゃんとなかよしなの?」と聞かれた。

なかよしって言うのは何か違うかもしれないけど、「うん、そうだよ」と返事をする。


その女の子は「いいなぁ〜」とだけ言って公園に向かっていった。




.

14.→←12.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
174人がお気に入り
設定タグ:NEWS , 加藤シゲアキ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゅすの さくら | 作成日時:2022年7月11日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。