貴方色丿琥珀糖。 (ページ17)

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群青色ページ17

×17歳みながわ

×17歳夢主
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You side

『皆川くん』

「ん？」

『ほんまにええの?予定とか無いの?』

「今日は何も無いから大丈夫やで」

『…ありがとう』

だんだんとみんなが夏服を着始める季節

私と隣のクラスの皆川くんは

学校の近くの図書館で勉強をしていた。

正しく言えば、皆川くんが私に教えてくれている。

ただ、凄く仲が良いって訳ではなくて

むちゃくちゃ頭良いから教えてもらい!って

友達が勝手に皆川くんとの勉強会をセッティグしてた。

ずっと気になってる言うてたし、

勉強もできて一石二鳥やろ?なんて事言われて。

初対面でこんな丁寧に教えてもらうなんて

なんだか申し訳なさ過ぎる。

ここまでしてくれなくても良かったのに、と

友達を少し恨む。

せめて2人きりにさせないでよね。

『人に教えるの面倒やな、って思わないの?』

『私死ぬほど国語苦手なんやけど…』

「全然。教えるのも楽しいから」

『何でそんなに勉強したいって思えるの?』

「僕4人兄弟で末っ子やねん」

「だから上3人に負けたくなくて」

『へぇ…』

「あ、ここの漢字間違ってるよ」

『え、あマジか』

漢字のミスとかアホ過ぎて凄い恥ずかしい。

でも自分は合ってると思って書いたから

どこが間違えてんのか…笑

あたふた間違いを探していると

「ほら、ここ」

『え、あっ、』

皆川くんの細い指が私の手首を掴んで

間違いの場所まで導いてくれた。

「ここ点いらんねんな、分かりづらいよなぁこれ」

これで消しな、なんて言って消しゴムを差し出す彼。

指が触れた部分から徐々に体温が上がっていく。

多分今、顔まで真っ赤。

皆川くんにそれがバレないように

少し顔を逸らしながらお礼を言って受け取った。

だいぶ使い込んだのか半分ぐらいの大きさに

なっている皆川くんの消しゴム。

どこまでも几帳面やなぁ、なんて思いながら

書き間違えた小さな点を丁寧に消した。