君とカフェモカ

えぴそーど　２８ ページ28

*
「A―――好きだよ…」

　抱きしめたまま耳元でそっと囁く。

「A―――オレの事、好き？」

　閉じられた瞼にそっと唇を寄せた。

「Aのホントの気持ち聞かせて…？」

　触れたままの唇を瞼からそっと頬へ移す。

「ねぇ…？A―――好きって言って…？」

　Aの唇が震えている。

　このドキドキはオレの？それともAの…？

「あたしでいいの…？」

「Aじゃなきゃダメ。」

「―――だって、あたし、こんなだよ？それでもいいの…？」

「いいんだ。そのままでいいんだ…このままのAが好きなんだ。」

　Aの両腕がオレの背中に絡みつくように固くまわされた。

「他にもっとたくさんカワイイ子いるだろうに―――後悔しない？」

　他にカワイイ子？

　そんなのいるわけない…

　Aは自分の事、分かってない…

　優しくて、まっすぐで、偽りのない心を持った笑顔がステキな女の子―――

　こんな子が他いるわけない。

　世界中、探しまわっても、Aみたいなステキな女の子はふたりとい

ない。

「後悔？オレの辞書に後悔という文字は無い！」

「そっか…奇遇だな。あたしの辞書にも後悔って文字は無いんだ。」

　オレの腕の中、クスクス笑うA。

　後悔なんてさせない。

　これからもずっと、永遠に―――

*

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