君とカフェモカ

えぴそーど　１６ ページ16

*
　男はオレの事を気にしつつ、重い口を開いた。

「俺、バカだった…３年前、卒業式の日、告白してくれたのにAの事

、そんな風に見れない…親友だって言って―――あの後、Aが突然、

俺の前から消えて、その時、初めて自分の気持ちに気付いたんだ―――あま

りにも側にいすぎて、Aがどんなに大切な存在だったのか気付かなか

ったんだ…」

「そんな―――今さら、そんなこと言われても…」

「元に戻れないのか？―――もう一度あの日に戻ってやり直さないか？」

「何言ってんの！？先輩は！？先輩の気持ちはどうすんの！？」

「あいつは、俺の気持ち知ってる…それでもいいって！好きだからいい

って…」

　これまでのふたりの会話から推理するとAは、この男に告って振ら

れたらしい。

　この男が凄く、凄く、好きだったのだろう。

『これからもずっと、永遠に好きな男なんていらない！』

　Aが前に言った言葉を思い出していた。

　Aは今でも、この男が忘れられないのだろうか…

　A―――行くな！行かないでくれ！！

　オレは心の中で何度も、そう叫んでいた。

*

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