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えぴそーど 12 ページ12

*
 あたしは自分がキライ。

 下がった眉、低い鼻、不機嫌そうな唇―――すべてが、たまらなくキライ。

 最悪なのは、この口から吐き出されるガサツな言葉。

 歳の近い男兄弟に挟まれ、まるで3兄弟のように育ったあたし―――

 持ち物も欲しがるものも、すべて男の子の物ばかり。

 小学校入学前に両親にそれを矯正され、買ってもらったランドセルの色が

赤色だった事に酷くショックを受け泣いた事を未だに覚えている。

 そんなあたしが高校の時に恋をした。

 相手は3年間、同じクラスだったユウキ―――

 あたしも、ちゃんと男の子を好きになれるんだって分かって嬉しかったの

を覚えてる。

 いつも一緒だった…

 何をするのも、つるんでバカやって騒いでた。

 友達にもよく言われた。

「アンタ達、いつも一緒にいるけど付き合ってるの?」

 その度に否定してきたけど、そう何度も言われると、ついついその気にな

ってしまうのは人の嵯峨―――

 もしかしてユウキもあたしの事、好きでいてくれてるのかも―――

 心の奥底にある願望が、いつの間にか勘違いに変わっていた。


 高校卒業式の前日、なんの約束も無く明日から離れ離れになってしまう…

 せめてお互いの気持ちを確かめ合って明るい未来が欲しかった―――

あたしはついに告白することを決意した。

 今にも壊れそうな音を出している心臓を気にしつつ待ち合わせの場所に向

かった。

「こんなとこに呼び出してゴメンな…あのさ――――――あたし…ユウキが

好きなんだ…」

 そう言うだけで精一杯だった。

 飾らない言葉で、偽りのない気持ちを伝えた。

「――――――あ の…ゴメン。俺、Aに対してそんな気持ちになれ

ない…」

 すまなそうに足元に視線を落としながらユウキは呟いた。

「あっ、いいよ…ただ、ちゃんと気持ち言って卒業したかっただけだから…」

 足がガクガク震え、泣き出したい気持ちを押さえ、絞りだすように言った。

「ゴメンな。でも、ずっと友達だからな!俺、Aの事、親友だって思っ

てるから!」

 キツイな…

 あたしは男友達だったって事か…

 一度も女に見られたこと無かったってダメ出しされたのか…

「おお!ずっと親友だかんな!!」

 辛い気持ちを隠しながら笑顔で応える。

 もう、ここにはいられない。

 あたしは半ば家出同然で実家を飛び出していた。

*

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サクラ(プロフ) - ゆままさん» こんばんは!泣いたんですか?嬉しいお言葉ありがとうございます。^^ここで学んだことを活かしてこれからも頑張ろうと思います!コメントありがとうございました。 (2012年9月21日 23時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - ミノ。さん» どうもありがとうございました!^^ (2012年9月20日 21時) (レス) id: 4077e31fe6 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 瀬乃さん» 無事、完結することが出来ました。ありがとうございました!^^ (2012年9月19日 17時) (レス) id: d5274d1ab7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 由羅さん» ありがとうございます! (2012年9月19日 17時) (レス) id: d5274d1ab7 (このIDを非表示/違反報告)
瀬乃(プロフ) - 完結おめでとうございます。また頑張ってください!^^楽しみにしてます♪ (2012年9月19日 10時) (レス) id: 8745a292c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクラ | 作者ホームページ:http://massugu1211udream.web.fc2.com/u-enter.html  
作成日時:2012年9月1日 17時

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