第141話 夜を言いくるめ ページ47
その日の夜
視点なし
しゃらん、しゃらんと美しい簪の揺れる音
美しい夜明けの色の髪を珍しくきちんと結い
薄い青や紫の着物を赤い帯で結んだその女は
いつもどうり眼下の街を眺めていた
「失礼します」
後ろで襖の開く音がして
声がしたところで彼女はようやくゆっくり振り返り
曙「何のようだ、猫」
アメジストの瞳、ショッピを睨む
ｼｮｯﾋﾟ「そんな顔せんで下さいよ、ちょっと面白そうなもの手に入れたんで、来ただですって」
そう言って一冊の帳簿を翳す
それは桃源郷、この街の主である彼女達がつけてある
上客、各国要人の一覧である
一応この街は、国とは独立した場所ではあるが
ｹﾞﾊﾞﾙﾄ国の情報は十分にある場所である
故に偵察、暗躍の情報源になりかねない上
店を一つ貸しきって遊ぶ他国の者も少なくない
それらの情報を流すことをグルッペン約束していたのだ
しかし...それは総統にしか見せない筈だった
呆れる曙に少し微笑むショッピの表情に曙は悟る
曙「メデシーに取ってこさせたのか、テメェ」
彼女達の中で一番の幼子であり
純粋な少女であるメデシーに何かしら吹き込んで取ってこさせたのだろう
構うお陰でメデシーはショッピになついている...
曙「ﾁｯ、用件を言え」
諦めた曙が足を投げ出して煙管を手に取る
ｼｮｯﾋﾟ「ここに書いてある国の一つに、俺の出身国がありまして」
曙「だから探るために、貸しきりになる店に潜入させろと」
ｼｮｯﾋﾟ「物分かりが良くて助かります」
曙「ﾌｰｰ...面白そうじゃない事はしない主義なんだよ、帰れ」
ｼｮｯﾋﾟ「ユウキにも、手伝ってもらうつもりなんですが、如何です？」
ユウキは"面白そう"だと判断してある
曙の眉がピクリと動く
それを見て、言いくるめられることを確信したショッピが更に微笑む
曙「いいだろう...手配してやるよ」
ｼｮｯﾋﾟ「ありがとうございます」ﾆｺｯ
また新たな任務が増えたことを知らぬ悪魔は
ﾕｳｷ「ｽｰｰｰ、ｽｰｰｰ」
相も変わらず無防備に布団に顔を埋めて
幸福そうにコネシマの部屋で寝ているのであった
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読者のかたありがとうございます、作者の夜月ルナです
今回のは曙さえ言いくるめる強sypくんが書きたかったんです
宣言道理、出身国の屑を殴る先輩後輩が書きたいんです
また戦闘様相入る事をお許しください
(と、一応謝罪しておきます)
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作者名：夜月ルナ | 作成日時：2020年1月23日 9時
