異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ29)

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第125話　悪夢の花園32　崩れ行く空間ページ29

ﾏﾘｰ「全て夢、お前は救済の夢を見ながら、罪を犯していたのさ」

ほくそ笑むﾏﾘｰｺﾞｰﾙﾄﾞ

みるみる青ざめる顔で見下げたユウキ自身の

血に濡れた手に輝く

ルピナスと

その反対の手に浮かぶオダマキの花の模様

ここまでが夢で

それをみている間に起こした

〝これ〟が現実だと

ﾕｳｷ「ぁ"、ぁああ"あ"あ"ーーーー！」

自身の行為を認識したユウキが絶叫ししゃがみこむ

ﾏﾘｰ(堕ちたな)

これで花畑の連中も堕とせるだろう

花園ごと絶望に染め上げれる

そうﾏﾘｰｺﾞｰﾙﾄﾞは歓喜の表情を浮かべる

しかし次の瞬間

ﾕｳｷ「...なんちゃって」

ﾏﾘｰ「は、ぁ？」

その光景はユウキが笑うと同時に硝子のように割れる

少しずつ黒い空間へと戻っていく

ﾕｳｷ「確かに俺、これには絶望するね...あなたの幻惑の洗脳作用も加わってダイレクトに精神に来る」

ﾏﾘｰ「な、なら何故！？何故絶望しない！？」

計画が更に狂い焦るマリーゴールドに

自身の狼の耳を撫でながら「主にみっつあるんだけど」

と、ユウキは笑う

ﾕｳｷ「ひとぉつ...獣人亜人は死ぬと耳と尾や鱗が現れた姿になる、でもさっきのはそうなってない」

パラパラと空間が崩れる音がただ響く中

指で1、2とつくってユウキは続ける

ﾕｳｷ「ふたぁつ、ドリアードは死ぬとその心臓から宿り木と同じ種類の木の芽を生やす、けどこれも起こっていなかった」

みぃっつ

と、指で3をつくりユウキはいつもの無邪気な笑みとは違う

舐めるなよ、と言わんばかりの嘲笑を浮かべる

ﾕｳｷ「吸血鬼は、いや...この人達は、簡単には死なないよ」

同時にバリン、と大きな音と共に

今度は黒い空間すらも崩れていく

ﾏﾘｰ「ｯ私の花園が！？完全に崩れていく！？」

ﾕｳｷ「あなたの誤算は、自分の知識を過信していたことと...今この空間に全員を入れてしまったことだよ」

手の甲の模様は輝きを増し

崩れる空間の隙間から差す光と同じ

淡い水色を光を放っていく

ﾕｳｷ「鍵は開いた、今度は貴方が堕ちる番」

ﾏﾘｰ「ｯｯ！？！」

「地獄の底まで引きずり下ろしてあげる」

狼の耳と尾を揺らし混血の悪魔は

眩む世界で微笑んだ

　