異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ12)

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第108話　悪夢の花園15　小人の空間ページ12

よく通る声と共に小さいながらに火の玉が

マリーゴールドにぶつけられる

ﾏﾘｰ「ッ！！ﾁｯ」

舌打ち一つしてマリーゴールドが空間から消える

ﾛﾎﾞﾛ「大丈夫か！？」

ﾕｳｷ「ｯ、うん」

ヤツが消えたことにより魔法が解けたので動ける

ゆっくりと体を起こし、深呼吸をする

ロボロくんはというと

ﾛﾎﾞﾛ「なんやのこれ？夢？なんよな？妙にリアル、というか....」

ぶつくさ言いながら混乱している

ﾕｳｷ「ロボロくん、えっと説明するから、落ち着いて下さい？」

ﾛﾎﾞﾛ「え、あ、おう」

((事情説明))

ﾛﾎﾞﾛ「ふーーん、ちゅうことは俺はなんでここから出れんのやろ...ユウキに会えたのに」

ﾕｳｷ「いや、会えたから出れるわけじゃないけどね」

ﾛﾎﾞﾛ「いややなぁ、俺の過去は、見られたくn...」

ロボロくんが何か言いかけたその時

景色が村から変わる

ﾕｳｷ「あ..."昔の"ロボロくんだ」

血を流す男を足蹴に

奪い取ったらしい袋の中身を確認する彼がいる

ﾛﾎﾞﾛ『しけてんなぁこんだけかぁ？まぁええか、飯と宿代にはなるな...ゴミの金も使い用やな』

ﾛﾎﾞﾛ「あ、ユウキ、あの」

『な、んだと！ドワーフのくせに！』

ﾛﾎﾞﾛ『あ、ドワーフは関係ないで？俺、追い出された身やから、な！』

"昔の"彼が男の首をかき斬った

『ぎゃぁああああああああ』

悲鳴を聴く彼は、満面の笑みを浮かべていて...

ﾛﾎﾞﾛ「ユウキ！」

ﾕｳｷ「な、なぁに？」

呆然と見入っていた所に、大声で呼ばれ彼の方を向くと

ﾛﾎﾞﾛ「やめてや、あんま、見といて」

泣きそうな声でそう言われる

ﾕｳｷ「ロボロ、くん？」

ﾛﾎﾞﾛ「俺、こんな残虐なもんやから、村から追い出されて盗賊じみたことしとったんよ、でもお前には、格好いいって、思われていたかった、知られたくなかった、そうやった、のに」

グスグスいい出して涙を流し始める

彼の手をとって

ﾕｳｷ「ロボロくん」

じっと目を見る

こういうときは、俺に言えることを言うしかない

ﾛﾎﾞﾛ「な、んや」

ﾕｳｷ「好きだよ、好き」

ﾛﾎﾞﾛ「ふ、え？」

ﾕｳｷ「見栄っ張りなのは、あれだけど、残虐だから嫌うなんてことだったら、俺はとうに皆に嫌われて死んじゃうよ？」

そう言うと、一瞬ポカンとしたものの

ﾛﾎﾞﾛ「ﾌｯ、はは、せやなぁ」

涙をふきながら、ロボロくんはいつものように笑う

瞬間、景色は、ピンクや赤の百合の花畑に変わる