小瀧と重岡。

小瀧と重岡とおやすみ。10 ページ36

桃



そんな言葉に俺が思わず泣きそうになった。



桃「 …そっか 」

赤「 小瀧泣いてるん？ 」

桃「 は？泣いてませんけど？ 」

赤「 ふふ、もう声が泣いとるよ 」



そう言ってしげの胸元にある俺の手をしげが優しく掴む。



赤「 メンバーみんなの事が大好きで大好きでしょうがないけどな、 」

桃「 …うん 」

赤「 なんだかんだこの手が1番好きかな 」



そう微笑んだしげ。その顔を見て思わずほろりと涙が零れた。



桃「 …おれも、しげのもちもちお手手が1番好き 」

赤「 なんやて！？俺のこのスタイリッシュな手を！ 」

桃「 どこがスタイリッシュやねん 」

赤「 ふふ、 」



俺が泣いてることに気づいてるに決まってるのにそれには触れへんしげ。ほんまに優しすぎる。



そんないつも通りのやり取りをしてる間にしげの口数が減ってきたから眠たいんかなって。



桃「 …しげ？ 」

赤「 ……ん、 」

桃「 眠たい？ 」

赤「 …ぅん、 」

桃「 今日は色々あったもんな。ゆっくり休み 」



頭を軽くぽんぽんと撫でてサイドテーブルにある電気のスイッチを持った。…そんな時、



赤「 …こたきぃ？ 」

桃「 ん？ 」

赤「 ……もう、ちゅーしてくれへんの？ 」

桃「 ……え 」

赤「 さっきはしてくれたのに 」

桃「 しげ、おま、きづいて 」

赤「 おれ、おやすみのちゅーも、ほしいなぁ… 」



気づかれてた恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま、ガバッとしげの方を振り向く。と、



桃「 ……………寝てんのかい 」



しげはもうすっかり夢の中。



そんなマイペースなしげに思わず笑ってしまって、そのまま軽く口付けた。



桃「 …おやすみ、しげ 」



明日はもっといい日になりますように。



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