小瀧と重岡。

小瀧と重岡とパーカー。1 ページ14

青



青「 おはようございまーす 」



そう言いながら楽屋を開けるといつもより部屋の中が静かやった。



橙「 おお、おはよう流星 」

青「 おはよう。どしたん、なんか今日静かやん 」

橙「 あー、なんかしげが調子悪いみたいで 」



ほら、と照史が指さした方向を見るとソファに座ってる望と、その膝の上にパーカーのフードをすっぽり被ったまま突っ伏してるしげ。



青「 なに？風邪？ 」

橙「 んや、熱は出てないみたい。ちょっとしんどいねんて 」



最近撮影とかもいっぱいあったから疲れたんかな〜なんて眉を下げながらしげを見つめる照史。やっぱり元気印が元気ないと静かになるな。



ほかのメンバーはしげを起こさんように静かにスマホをいじったり台本を読んだりしている。こういうとこがいいよなうちのグループは。何も言わんでもわかってる感じ？



なんて思いながらしげたちから離れた机に荷物を置いてその前の椅子に座る。俺もなんか動画でも見ようかなってスマホを取り出したけど何となくそんな気分じゃなくてしげと望の座ってるソファの方を見る。…よし、人間観察しよ。



望はスマホを弄りながら時折心配そうにしげの頭を撫でる。膝に突っ伏してもうてるしげはパーカーのフードを被ってるから顔見えへんなぁ。時折もぞもぞ体制変えてるのを見ると寝れてないんやろな。わかるわかる。しんどい時こそ寝れへんもんなぁ。



と、そこであることに気づく。…あれ？あのグレーのパーカーって望のやない？この前買ってもうた！って嬉しそうに報告してきたのを思い出す。あー、だからあんなにブカブカなんやな。俗に言う彼パーカー？みたいな？



青「 なあなあ神ちゃん 」

緑「 ん？どしたん流星 」

青「 今日ってしげと望一緒に来たん？ 」

緑「 いや、別々で来とったで？しげの方が早かったかな 」

青「 ふーん 」

緑「 なんで？ 」

青「 しげが望のパーカー来てるから昨日お泊まりしたんかなって 」

緑「 ああ…あれ、のんちゃんが楽屋来てしげの様子見た瞬間着させたんよ 」

青「 へえ… 」



多分すぐにしげが調子悪いのに気づいたんやろなぁなんて微笑んでる神ちゃん。もはや夫婦みたいやなあの二人。聞くところによるとパーカーをしげに着せた望はそのまま無理やり膝に寝かしつけたらしい。やってる事がバカップルやなほんま。



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