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「僕の何がいけないんだい？家柄も金も、魔法の才能も容姿も人が羨む物はなんでも持ってる。君のためなら全て差し出すのに…」
「どうして私なの？」
「決まってるじゃないか、君が好きだからだよ」
三日月の様に細められた目も、痙攣するほど釣り上げられた口の端も、男は笑顔という表情を作っているのにどこか不自然で気味が悪い。
「どうやったら君も僕を愛してくれる？」
「……私が貴方を好きになることは未来永劫、絶対にないわ。お生憎様、私にはおぞましいケダモノとお付き合いする趣味はないの」
「君の強情張りなところもすごく魅力的だけど…今は遠慮願いたいね、ちょっとだけ眠っててほしいんだ」
杖が目の前に突きつけられる。男の人差し指が私の唇の上にそっと置かれた。これ以上喋るなと言いたいらしい。
「君が次に目を覚ますのは、僕と2人だけの場所だよ。おやすみ…」
怖くなかった訳ではない、決して。現に震える手にはもう力は籠らなかったし、泣くまいと噛み締めた唇は裂けて口内に鉄の味が広がった。
せめてもの抵抗に、じっと男の目を見据える。
杖先がゆっくりと動き、そして________
「嫌っ……誰か……助けて…！」
悲鳴にも満たない言葉を発し、直ぐに取り落とすであろう意識の中で必死にもがいた。しかし、待てど暮らせど失神することは無かった。
何か生暖かい液体が私の身体へ滴り落ちてくる感覚に、恐る恐る目を開けた。
「あぁ、すまない。手が滑った」
男の額から垂れた血が、ドレスを点々と汚していた。
周囲には散らばったガラスの破片。
そしてその奥には杖腕を上げた、見慣れたブロンドの髪。
「……マルフォイ」
「さぁ、彼女から退くんだ。さもないとお前の首が飛ぶかもしれないぞ」
男は袖で額を拭い、私の上から退いた。それから焦点の合わない目がマルフォイを捉えた。
「邪魔をしないでもらえないかな。Aと僕はこれから駆け落ちするところなんだ」
「…僕にはそう見えないが。どうだ、彼女に聞いてみるか？」
事実を問われる視線に、私はブンブンと首を横に振った。
「会場は大騒ぎだ。今に父上達が探しにくるだろう…」
「関係ないよ。僕は今すぐここでお前を消し、Aを連れて姿くらましするからね」
落ちた杖を拾おうとした手を払い除け、滑り込んだ私の手がひと足早くそれを奪った。
「覚悟はよろしくて？」
杖先を向け、私はそっと微笑んだ。
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まな(プロフ) - とても面白くて続きが気になります！更新気長に待ってます！ (6月29日 21時) (
レス) @page28 id: 0028381799 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - まるさん» フレンド申請を私のほうでやらせていただきますね!すると通知が来ると思うので、そこをポチッとなです☆ (2022年4月17日 22時) (レス) id: 6ae6cf354a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 平凡な人さん» こんばんは、コメントありがとうございます！本当にドラコは可愛いですね…。フレンドのお話是非お受けしたいのですが、疎くて方法がわからないです。教えてください🙏 (2022年4月17日 22時) (レス) id: 91e2d78cc8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております!ドラコ可愛いですよね!!フレンドなりませんk(((( (2022年4月16日 22時) (レス) @page13 id: 6ae6cf354a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2022年4月6日 20時
