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コナンside
「ねぇ安室さん」
「なんだい」
いつのまにかいつもの優しい雰囲気に包まれた安室さんに、腕の中から質問する。
「珍しいね、安室さんがこんなに取り乱すなんて」
安室さんが取り乱すと言えば、赤井さん関係だけだと思っていたけれど、Aさんの時もこんな感じになってしまうんだなって。
「…はは、恥ずかしいね。……友人たちに、任されてるからなぁ」
どこか思い出にふけっている表情で、俺を抱え走る安室さん。
友人たち、それはきっと…もう故人になってしまった人たち。
「安室さん、Aさんのこと好きでしょ」
「……コナン君は蘭さんのことが好きなのかな?」
「は、話そらさないで!!」
カァっと顔に集まる熱をどうにか逃がしながら、安室さんを軽く睨む。
「…、アイツには、僕のことなんて視界に入ってないさ」
「…え?」
そう悲しそうにつぶやく安室さんに、俺はなんて返したらいいのかわからなくて、思わず黙る。
そんな沈黙が続いて、少ししたら、アパートについた。
その場は記者や警察官で埋もれていて、捜索がまだつづいているみたいだ。その中に安室さんが遠慮なくズンズンと入っていく。
「っあぁ!ちょっと君!何入ってきてんの!?」
当然止めの声がかかり、周りの人達に注目される。
安室さんはそんなもの気にしないといたように、毛利探偵の弟子と助手ですと笑顔を向けた。
静止の言葉をかけた警察官ははぁ?と言いたげな表情を浮かべるので、どうしたものかと考えていると、あれっ!?コナン君!?なんて、聞きなれた声が聞こえた。
「高木刑事!それに佐藤刑事、目暮警部も!」
この事件には見知った顔の刑事、警部が関わっていて、少し希望が見えた。
知っている人の方が、情報を貰えやすいから。
安室さんは安室さんで情報を貰える相手がいるとは言ったものの、多ければ多い方がいいだろう。
「コナン君と、安室さん…。え、と」
高木刑事が気まずそうに目を逸らすあたり、僕らがAさんの無実をはらすために乗り込んできたのは何となくわかったんだろうか。
「毛利先生に、見て来いと言われました」
「おっちゃんがね!ちょっと今忙しくて、僕らに頼んだんだ!」
だからお願い、中を見させて?おねだりするように手を合わせると、目暮警部が、我々と同行でならいいと許可してくれた。
日頃の行いがいいせいだね。やった。
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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時