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224億 ページ37

降谷side


「無謀なことしないでよバカ!!」



愛しい阿呆の怒鳴り声が聞こえる。

肩に添えられた震える小さな手と、俺の目を覗き込む、青と黒が混じったユラユラ揺れる大きな瞳。

そして不思議と痛みを感じない、貫通した腹部。

痛みを感じないのは、こいつのために負った傷だからだろうか。




「安室さん!!早く、病院にっ!!」




コナンくんの叫ぶ声も聞こえて、僕は大丈夫だからと言いたいけれどなんだかだるくて喋りたくない。

知ってる、これ俺死ぬかもしれないってこと。

急所に当たったわけじゃないけど、そんな感じがする。


バタバタと俺の周りに集まっては焦りの表情を浮かべ、涙まで浮かべる人までいる。

それは俺の一番そばにいるやつも例外でなく。




「なんで、なんで私の大切な人ばかり死んじゃうの…っ、そんな、だめ」

「な、くな、俺は死なないよ」




そう、俺がなんとか絞り出して口角上げて言うと、さっきまで目にいっぱいに溜めていた涙をポロポロと地面に落としていく栃木。

俺が流した血と、栃木の流した涙が混じるのを見て俺はだるい腕を上げてその涙を血のついてない手で拭った。

栃木はその手を力強く掴む。




「あんたまで居なくなったら、わたし、」

「大丈夫だって」




大丈夫と言ったはずなのに、ごふっと血が口から溢れた。
そんな俺を見て、栃木は目を見開き、口を震わす。

情けないな、俺。
こんなんじゃ、いつまでも経ってもこいつを振り向かすことなんてできない。




「おれ、まだお前に伝えてないことがあ、るから」

「もう喋んないで…っ!!」

「まだ、死ねないよ」




なんだか疲れた。もう寝たい。

この頃BOMBを捕まえたり尋問したりするせいでよく眠れてなかった。
仮眠も少なかったし、本当に寝たい。

しかし俺を医療室に連れていくための人が近くの病院から出てきて、担架に俺を乗せようとしたので、自分で乗ると手を上げ、だるい体を担架に乗せた。

その担架に運ばれていく俺を、栃木はギュッと自分の拳を握りしめながら悲しそうに見ていた。


その光景を最後に、俺は意識を飛ばした。


.

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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2019年4月5日 11時

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