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『大丈夫よ。でも集中力を切らされるのをAは嫌うから、カメラは気付かれない様にした方が良いわよ。』
そういう間にも、結城は黙々と一人ボールと向き合っている。
本当に大丈夫なのか、そう心配の目を向けた我々に
『大丈夫、その内わかるから。』
そう言って去っていった彼女の言葉の意味が分かったのはそれから約一時間後の事。
ボールが床を叩く音、カラーコーンが弾かれる音が黙々と響く。
中には結城一人だ。
我々は、断続的に続くボールの音になかなか中を伺う事が出来ずにいた。
すると
髪が濡れている、シャワーあがりだろうか。
先程体育館を出ていったチームメイトの内の一人が、タオルとスマホを片手に何やら体育館に近づいてきた。
『Aはどうせまだ中でしょう？』
笑いながら肩を竦めそう言った彼女は
邪魔者を拒むその扉を躊躇いなく開けた。
そして
『Aー‼ボーイフレンドから電話よー‼
早く出てあげたらー？』
そう叫んだ。
緩やかに高くあげられたサーブトスだったが、突然の侵入者の登場に、放たれたそのサーブは大きく的を外れていった。
『あら、ホームラン……マズイ。』
点々とボールが転がり、止まった。
「リザ……何回も言ってるけど、ボーイフレンドじゃない。」
『えー？だって、そんなのどうなるか分からないじゃない。』
「ハァ……」
『ホラ、早く出てあげたら？』
未だ振動で着信を知らせるスマホを結城に手渡したチームメイトは、満足気な顔で体育館を後にする。
"今のは、一体……？"
『さっきヴィオラが言ってたでしょう？
大丈夫って。
あぁ、電話が来てるのは本当よ？
大体いつもこの時間なの。』
"ボーイフレンドっていうのは？"
『Aが違うって言うならきっと本当にそうなんでしょうけど……あの子嘘付かないし。
でもどこかでAの事見てるんじゃない？ってくらいに、オーバーワークにならないよう絶妙なタイミングでいつも電話が来るのよ。』
"相手を知ってるんですか？"
『相手？まぁ…なんとなく分かるわ、画面に名前が出てるもの。
けどナイショ！彼にも悪いしね。
Aのスクープが撮れなくて残念？
でも、大切なAのプライベートだもの。』
"残念です……"
『電話が終われば、そのまま自主練を切り上げる筈よ。
……Aの密着、大変でしょう？頑張って』
静かに覗いた体育館。
スマホを耳に、誰かと電話で会話する彼女は
小さくとも柔らかな笑みを浮かべていた。
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#M(プロフ) - 初めまして。楽しく拝見させていただいてます。是非、2以降のパスワードを教えていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。 (4月29日 19時) (
レス) id: f9e2a1b66a (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - はじめまして。楽しく素敵な作品で一気読みしました。続きが気になるので、よろしければパスワードを教えていただきたいです。 (4月6日 7時) (レス) @page50 id: 3e6db03f03 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - 初めまして。とても惹かれる作品で一気読みしてしまいました！！！もし可能でしたら、続きのパスワードを教えていただきたく思います！お待ちしております。 (3月24日 23時) (レス) id: 4ab3d6e2fc (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品で楽しく読まていただいております。続きが気になるのでよろしければ、パスワードを教えていただきたいです！よろしくお願いいたします。 (1月14日 13時) (レス) id: 0f292486a4 (このIDを非表示/違反報告)
flover(プロフ) - 初めまして。とても楽しく作品を読ませていただいております。何度か読み返しており、続きが気になりました。もし宜しければ、パスワードをお教えいただけないでしょうか？よろしくお願いいたします。 (1月3日 19時) (レス) id: aeaa3e44b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虎鉄
| 作成日時：2019年10月27日 16時
