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サッカーの名門"バイエルン"と「王者の青」の愛称で親しまれるブンデスリーガ屈指の強豪クラブ"シャルケ"の一戦に、スタジアムは多くの両サポーターで埋め尽くされていた。
シャルケは、かつてあの内田篤人が所属していた事でその名を記憶している者も多いだろう。

だが今回、ピッチの上に日本人は居ない。

"サッカーも観るんですか?"

「スポーツは基本何でも観ます。
生で観るのは、パスがある様なチーム競技だけですけど。」

"チケットはご自分で手配するんですか?"

「……基本は自分で。
これは、友人に"オフはよくスポーツ観戦してる"っていう話をしたら、このスタジアムでやる面白そうなカードを厳選してチケットを送って下さる様になって……。
全部は行けなくて申し訳ないんですけど、折角送って下さったものはなるべく無駄にしないようにこうやって観にきます。」

色々と疑問が浮かぶ。
何から聞こうか考えている間に
彼女の席の隣に、恰幅の良いドイツ人男性が腰を下ろした。

『なんだ嬢ちゃん、ユニフォーム持ってないのか?』

「……?」

『これ着な‼』

掛けられたドイツ語に戸惑う結城に差し出されたのは、シャルケの青い新品のユニフォーム。
どうやらユニフォームを着ていない若干浮き気味の彼女を気遣ってくれたらしい。
男性はそれを頭から被るジェスチャーを見せる。

『なんだ、バイエルン側なのか?』

「……」

結城は、コートを脱いでユニフォームを頭から被った。
メンズサイズ、細身の彼女にはかなりブカブカだ。

Danke schön(ありがとう)

笑顔で礼を言った結城に男性は気を良くしたのか、手で何やら制止のポーズを見せると席を立っていった。

"どういう事?"

「分かんない。」

数分後、彼はビールを両手に戻ってきた。

『こんな美人にドイツビールを奢らなかったら男が廃る!俺からの奢りだ、飲みな!』

「あ、ありがとうございます。」

思わず日本語が出た。
ビールを受け取った彼女は、そのまま男性と乾杯。
その勢いのまま、飲めない筈のビールを煽った。

「……苦い。」

『ドイツのビールは美味いだろ?』

そして豪快に笑う男性と軽くハイタッチ。

"え、なんて言ってたんですか?"

「分かんない笑。」





「……」

"……"

間も無くして、試合はキックオフ。
途端に彼女の意識からカメラの存在は消え、その視線は眼下のグラウンドに釘付けとなった。
あまりに真剣な眼差しに、途中話しかけることは出来なかった。

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#M(プロフ) - 初めまして。楽しく拝見させていただいてます。是非、2以降のパスワードを教えていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。 (4月29日 19時) (レス) id: f9e2a1b66a (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - はじめまして。楽しく素敵な作品で一気読みしました。続きが気になるので、よろしければパスワードを教えていただきたいです。 (4月6日 7時) (レス) @page50 id: 3e6db03f03 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - 初めまして。とても惹かれる作品で一気読みしてしまいました!!!もし可能でしたら、続きのパスワードを教えていただきたく思います!お待ちしております。 (3月24日 23時) (レス) id: 4ab3d6e2fc (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品で楽しく読まていただいております。続きが気になるのでよろしければ、パスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いいたします。 (1月14日 13時) (レス) id: 0f292486a4 (このIDを非表示/違反報告)
flover(プロフ) - 初めまして。とても楽しく作品を読ませていただいております。何度か読み返しており、続きが気になりました。もし宜しければ、パスワードをお教えいただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。 (1月3日 19時) (レス) id: aeaa3e44b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2019年10月27日 16時

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