一里 ページ12
「いや、えっと……」
「まあ、俺たち付喪神は本体から一里以内なら自由に動き回れるし、織田時代のいつかに会ったことがあったのか」
そうなのか。新しい発見だな。
やっぱり、蝮は織田家の刀だったか。
「ちなみに、本体から一里以内までしか動き回れないルールは、
人の身を得た今でも適応される。
不動が逃亡に失敗した理由がそれだ」
「ありがとう」
一里ってどれぐらいだっけ?
確か、領海が十二海里で約二十二キロだったから、二十二割る十二で……
駄目だ、暗算できない。
「それで、燭台切が料理番をしないのか、という話だったな。
あいつは、やりたがってはいるんだ。
だが、今の審神者は、太刀やその他の刀を愛してはいるが、自己中心的な愛し方でしかない。
決して相手を思ってはいない」
「……そっか」
「次、行くぞ」
一瞬流れた気まずい沈黙は、すぐさま打ち切られた。
「厠まで行って、すぐ左には厨がある。
腹が減ったら適当に調達しろ。
当番の短刀たちは絶対黙ってくれるし、
あいつは物の管理なんてしないから、絶対バレない」
さっきから審神者、好き放題言われてるなあ……。
ブラックだからしょうがないか。
「さて、次は、粟田口の部屋其の一だ。其の四まである」
「そんなにあるの?」
「審神者は面倒くさがって、一部の気に入った刀以外、ほとんど部屋割りを変えてないからな。
部屋割りはほとんど前の主の決めたものだ」
なるほど。
「おい、入るぞ」
そう言って長谷部が襖を開けると、
さっきからほんのりと漂ってきた金属のような臭いが、一気に強くなった。
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ツキアカリ - キリンの妖精、キリンロングさん» ありがとうございますm(_ _)m語彙力おばあちゃんにならないように頑張ります(?) (2019年5月18日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 世代交代(?)頑張って下さい←語彙力の枯渇 (2019年5月18日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - ふはいねこさん» 応援ありがとうございます!期待に添えられるように頑張りますね(。・ω・。)ゞ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ツキアカリ - 前作者さん» 読みました、自分の文章力でどこまでできるか分かりませんが、この作品をもっとよく出来るように頑張ります! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5a16b46531 (このIDを非表示/違反報告)
ふはいねこ - ツキアカリさん» はじめまして。作者交代お疲れ様です(?) 二代目になっても応援してますね。頑張ってください。 (2019年5月17日 22時) (レス) id: 5701e6bc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2018年12月25日 22時