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瀬戸side
中「全部あなたのことですけど?」
わたしの頬に手を添えたうみくんの言葉に驚く。
確かに、最近寝る暇もないし、ずっと頭が痛い。
ご飯は食べる時間がもったいなくて、
ゼリーくらいしか口に入れてない。
「あ、…っと」
中「言い訳はいらん。はい帰りますよ」
「え、でも」
中「家近いんでしょ?俺今日見張り番に
なったから着いてく。はい帰りましょう」
わたしの荷物を持ったうみくんが
立ち上がり、急かされる。
仕事も終わってたし、有無を言わさぬ
雰囲気に、急かされるがまま事務所を後にした。
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中「せとちゃんの家入ったこと
あるメンバーいんの?」
「え?いないですよ」
中「こないだ酔っぱらったとき
のえるくん入らなかったの?」
「あー…どうだろ、気づいたらベッドだった
から…でものえさんだし、入っては
いないんじゃないかな」
中「どーーだかね。のえるくんも男だから」
なにそれ、と笑いながら帰路につく。
わたしの歩幅に合わせて歩いてくれるあたり、
なんだかんだ優しいんだよなあ、この人。
「あ、ここだから。送ってくれて
ありがとうございました」
中「ん。…無理しないでよね」
「しませんよ」
中「わからんからな〜。次無理してそうだと
思ったら、さっきせとちゃんが言ったように
強制的に休ませるから」
「こわぁ。そうならないように気を付けるね」
中「ぜったいね」
じゃあ、と去っていく彼の背中を見つめて、
良いタレントさんに着けて本当に良かったと
心がぽかぽかとした。
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うみくんと話した翌々日、1日稽古のみの
スケジュールの日、時間がもったいないと
稽古場の隅にある音響スペースの隣を
間借りして、事務仕事を進めていたとき。
「…、ぅ、」
ズキズキと痛みだす頭に、作業の手を止める。
カバンから頭痛薬を取り出そうとしたとき、
誰かにその手を取られた。
「?……のえさん?」
手を辿って顔見ると、切なげな顔をした
のえさんがいた。
川「……飲みすぎじゃない?」
言われ、一瞬なんのことかわからず戸惑う。
川「薬。それで何回目?今日」
「え、っと」
川「少なくとも4回は飲んでる」
「そんなに飲んでましたか…」
川「海人に言われたでしょ?休もう。
今日は稽古しか入ってないし、急ぎの
仕事もないってサポマネさんから聞いてるし」
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エキゾチック幸助(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます!もっとみんなに頑張ってもらいたいですね… (2021年11月5日 19時) (レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました!!げんげんが積極的なの容易に想像つきますよね〜好きな子に攻める割に意識してもらえないっていう…(笑)げんげんに負けないようにみんな頑張れ!!(笑) (2021年10月14日 0時) (レス) id: 90724bbd28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年10月9日 14時