#35 Yasunde ページ7
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虎者初日を目前に控えた今日。
初演まであと片手で数えるほどの日数
しかない今、わたしは目が回るような
忙しさに見舞われていた。
「もしもし、はい、
あ、ありがとうございます！……」
今年の虎者は東京公演から始まるので、
ホテルなどの手配は必要なくて助かったな、
と思いつつ電話やメール、資料を捌いていく。
中「せとちゃん」
夜の10時を回る中、一人で出版社から
掛かってきた電話を終えて切ると、
うみくんが事務室に入ってきた。
「わ、びっくりした。忘れ物ですか？」
中「いや、なんも。ただ最近ちゃんと
喋れてないなって思って気が付いたら来てた」
「なんだそれ。でももうわたしもすること
終わったし、時間いいならちょっと話す？」
わたしは手早く書類を片付け、荷物を
まとめると、帰る準備をしてうみくんと
一緒に事務室を出る。
休憩スペースが所々に設けられた事務所だから、
話す場所には困らない。
「何か飲む？」
中「おれコーヒー牛乳。せとちゃんは？」
「わたしは梅昆布茶飲もうかな」
中「おばあちゃんかよ」
「え？？どの口が？言ってるの？んん？」
中「あーあーうるさーい。
いいから座ってなよ」
背中をグイグイと押され、
イスを引かれて座らされる。
「え、奢ってくれるの？」
中「当り前じゃん。Aには
財布出させないから」
首だけ振り返って言われ、なんだか
あのうみくんがかっこよく見える。
「ありがとう…かっこいーね」
中「でしょ？惚れた？」
「今日も頑張ったなー」
中「おい！！」
湯気の立つ梅昆布茶と、瓶に入った
コーヒー牛乳を持ってくるうみくんに、
またお礼を言う。
中「…最近忙しそうね」
「虎者前だからね。頑張りどきかな」
中「いつくらいになったら落ち着く感じ？」
「ん〜…虎者始まったらみなさんの仕事の
スケジュール調整して、舞台の時間は
みなさんに付きっ切りでしょ、YouTubeも
定期更新は外せないし、打合せも入ってるから…」
中「ふんふん」
「虎者終わったら…閑也くんのドラマ撮影
始まるし…いつ落ち着くんだろ」
中「やっぱ大変よね、マネージャーって。
いつもありがと」
「なになに、デレ期なの？」
中「うんそうデレ期Aだいすきー」
「うんありがとう、棒読みでも嬉しいよ」
なんて、他愛ない会話をしながらお茶を飲む。
確かに、こういうゆったりとした時間を
過ごせるのは久しぶりかもしれない。
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エキゾチック幸助(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます！もっとみんなに頑張ってもらいたいですね… (2021年11月5日 19時) (
レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました！！げんげんが積極的なの容易に想像つきますよね〜好きな子に攻める割に意識してもらえないっていう…(笑)げんげんに負けないようにみんな頑張れ！！(笑) (2021年10月14日 0時) (レス) id: 90724bbd28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エキゾチック幸助 | 作成日時：2021年10月9日 14時
