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話しているときの中村はひどく優しい顔をするものだから、メンバーも瀬戸も、何とも言えなくなってしまう。
すると、宮近が瀬戸をおもむろに振り返った。
宮「……どうしたらいい?」
苦笑いを浮かべているつもりだろうが、うまく笑えていない。
そんな宮近の顔を見て、瀬戸は言葉に詰まる。
川「おれはっ…」
ずっと下を向き黙って話を聞いていた川島が口を開く。
中村を見つめたその目には涙が溜まっており、この短時間で頭をフル回転してたくさんのことを考えたであろうことは想像に易い。
川「俺は…グループのことを考えるなら、まだ結婚は早いと思う。でも、世間一般的には結婚してもおかしくない年齢だし、海人の人生だから…」
そこで言葉が止まり、ポケットからハンカチを取り出し、目元にあてた。
七「…………ファンの子たちのことも考えたうえで決めたことなら止めない。海人が真剣に悩んで出した答えがそれで、今後の対応とかもしっかり練ってるなら、お祝いするよ」
川島の言葉に続いた七五三掛が言葉を連ねる。
普段の七五三掛とは違い、兄のような目で中村を見つめた。
元「……てか、彼女いるって聞いてなかったけど」
倉「…………」
一方、曇った表情の松田と松倉。
松田は中村を睨むように見つめ、松倉は視線を合わせることをせずに髪をかきむしる。
まるでいらついているような素振りも、中村は落ち着いた様子で受け止める。
中「ごめん」
一言、小さく謝る中村に、松松のイラつきが増してしまったようで、松田は中村を見つめることを止め、大きなため息を吐いた。
吉「で、相手は?」
これまで沈黙を貫いていた吉澤が口を開く。
その声色からは感情が窺えず、彼がいつになく真剣であることだけが読み取れる。
一拍置いて、口を開いた中村から出てきた名前は、
中「せとちゃん」
あろうことか、グループのマネージャー・瀬戸であった。
宮「は、?」
川「え、まって」
七「A?」
吉「い、や…」
倉「なんで、え?」
元「ッ、ふっざけんなよ!!」
先の驚きとは打って変わり、どう反応していいかもわからない衝撃に、困惑するメンバー。
松田は誰よりも中村の言葉を理解し、大きな音を立てて立ち上がり、テーブルを叩いた。
元「意味わかんねぇよ!!は?なに?お前らそういう関係だったわけ?ざけんなよ何なのお前ら!!」
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エキゾチック幸助(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます!もっとみんなに頑張ってもらいたいですね… (2021年11月5日 19時) (レス) id: c19b7f2284 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました!!げんげんが積極的なの容易に想像つきますよね〜好きな子に攻める割に意識してもらえないっていう…(笑)げんげんに負けないようにみんな頑張れ!!(笑) (2021年10月14日 0時) (レス) id: 90724bbd28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年10月9日 14時