Manager Tiger4

#39　IKE IKE Noel ページ18

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川島side





虎者東京公演も残りわずかとなった今日。

夜の１公演の前に、レギュラー出演してる
クイズ番組の収録に来ている。




「じゃあ次。夏目漱石が決まった曜日に
開いていた会の名前は？


川「木曜会！あれ、こんな問題あった？」


「正解！今わたしが考えました。
さすがのえさんですね」




たまにクイズの勉強のお手伝いをしてくれて
るAちゃんは、クイズ番組に出たら
結構優秀な成績を残せるんじゃないかって
くらい、雑学に強い。

おかげで、自分の見落としてるジャンルの
問題も出来るから、かなりありがたいんだよね。



川「今日は小・中学生の科目から出るから、
国語もやっとけばよかったな」


「でも国語は知識系の問題でますかね？
漢字以外に」


川「どうだろうね〜、いろんな問題出るから」



二人でクイズの話をしていると、まるで
学生に戻ったような気分になる。

テスト前に二人で勉強して…お互いに
問題出し合ったりして。

で、直前にやった問題が運よく出てきて、
テスト中にやっとしちゃうんだよね。




「あ、そろそろ入りますか」


川「もうそんな時間か！
付き合ってくれてありがとね」


「いえ！優勝したらちゃかさんが
ハンバーガー奢ってくれるらしいですよ」




こうやって、クイズ番組の前には俺のやる気を
出そうといろんなご褒美のネタを考えてくれる
Aちゃんは、本当に俺の事を
よくわかってる気がする。

でも、




川「ほんと？それは嬉しいけど、優勝
目指すなら違うご褒美がいいなあ」


「お、なんかあるんですか？
できる限り用意しましょう！」


川「言ったね？」




ジャケットを羽織り、椅子から立ち上がって、
入り口付近で先に立っていたAちゃんを見下ろす。

高圧的にならないように、同じ目線まで
かがんで顔を覗き込む。




川「Aちゃんとの時間が欲しいな」




出来る限りの優しい顔で言うと、俺の両目を
交互にきょろきょろと見るAちゃんの顔が
みるみる赤く染まっていく。




「っ、な、なに言って」


川「あはは。できる限り
用意してくれるんでしょー？」




恥ずかしさのあまり、ぷんすこと怒る姿が
可愛くて、ぽんぽんと頭を撫でて楽屋を出た。

半歩下がって着いてくるAちゃんは、
まだりんごみたいな顔をしていた。





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