検索窓
今日:2 hit、昨日:89 hit、合計:176,725 hit

ページ23









元「あ、ん…うま、染みるわ」


「風邪のときは食べたくなりますよね」


元「うん……ありがと」


「いいえ。早く元気になってくださいね」


元「ん……あれ、Aちゃん目赤くない?」




じ、と見られて顔をそらす。




「花粉症なんで」


元「もう花粉おさまってるけどね」


「あ〜目がかゆい。りんごまだ食べます?」


元「む〜。もういいかな、あとはAちゃん食べて」


「風邪うつるので。冷蔵庫に閉まっておくので、
朝に食べてください。おかゆも」


元「だる〜〜…ね、朝も来てよ」


「え“」


元「おねがい」




熱が上がってきたみたいで顔がさっきより赤い。

早く薬飲ませて寝て貰わないと。




「とりあえず薬飲んでください」


元「ね、あした」


「わかったので!はい薬!」




しつこい元太くんの口に薬を突っ込んで
カップを持たせる。

へにゃりと笑った元太くんがこくりと水を
飲んだのを見て、一安心でため息を吐く。




元「………わがままごめんね。さみしくてさ」




しゅんとした顔で言われて、言葉が詰まる。




「――、もう、ちゃんと来ますから。
病人はわがまま言える特権があるんです。
ベッドまで行けますか?」




剥がれそうになってた熱冷まシートを
押さえてやりながら言う。

すると、たちまち表情が明るくなった元太くんが、
のそのそふらふらしながらベッドに歩いて行った。

転ばないか心配で着いていったけど、
無事にベッドにダイブ。

したまま動かないので、
仕方なく足を持って真ん中まで移動させ、仰向けにする。


本当に介護だ。


ベッドに散乱してた毛布と掛け布団をしっかり掛け、
ベッドサイドにペットボトルの水を置く。




「じゃあ元太くん、わたしもう行きますね。
しっかり寝てください」


元「んぇ、もういくの」


「はい。長居はできませんから」


元「ん……またあしたね」


「はい、また明日。なにかあったら連絡してください」




さみしそうな顔をした元太くんの髪を
そっと撫でて、寝室を後にした。

さっと使ったものを洗わせてもらい、
カバンに入れて部屋を出る。

元太くんの調子が戻るまで合鍵は預かっておこう。







・ side Matsuda→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
601人がお気に入り
設定タグ:TravisJapan , トラジャ , 中村海人   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:エキゾチック幸助 | 作成日時:2021年8月27日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。