【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第三章】

呪い【神月いのり/ユウミ】 ページ8

屈辱だ。

神月家の霊媒師とあろう者が、こんな連中の目に晒されるなんて。

悔しくて、先祖に申し訳がなくて、仕方がない。

でも、帝華さんのことだ。なにかしら考えがあるのだろう。

彼女は、読めない人だけれど行動力があるのは確かだから。

案の定、その後宴が始まってしまった。

オークション潰しの宴。

天秋さんの無事を確認し、意識を集中させ何度も同じ言葉を心の中で唱える。

死んでしまえ、輪廻よ切れてしまえ、この場の買い手を消してしまえ。


これは、呪い。

今まで、踏み潰されてきた者たちの恨み。

お前たちへの復讐。

騒ぎのどさくさに紛れ、私たちに近づいて来た男がいた。

私はそれを睨みつける。

「ひっ！ば、化け物ー!!」

情けない叫び声をあげながら男は逃げていく。

「逃さないわよ」

男は、ゆっくり因果の糸に絡め取られる。

「さようなら。卑屈で愚かな人間さん」

私がそう言った瞬間、男は消えてしまった。

肩に秋華がとまる。

良かった…捕まったとき、殺られてしまったものだと思っていたから。

「秋華。偵察してきて、あたりにどのくらい人がいるか調べてちょうだい」

これ以上、戦うことがないと良いけれど……。

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