【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第三章】

何処から何処へ【倖月儚羽/アカツキ@VII】 ページ27

どうしようも無くなっている。
嫌な声ばかりが聴こえる。

『わたしは、いずれあなた達をここから(・・・・)消そうと思っています』

『私、今でもあなたのこと…好きよ。でも、かといって消されても良いというわけではないわ』

『この、卑怯者がアアアアアアアア!!』

『無慈悲な世界は、どうやっても無慈悲なんですよ』

昔からこうだ。能力があると気付いたその日から、周りの音は全て青年の耳に届いた。何処か遠くで起こった事故の音も、何キロも離れた所にいる友人の泣き声も。有り得ないような距離だろうと、知っている者が関わっていれば、何でも耳に入った。
名の知らぬ少女が黒幕であることも、ウイルス遣いの少女が死んだことも、2人の少女が黒幕の少女を止めようとしていることも、また別の少女が政府の犬であったことも、全て聴き取っていた。
それでも尚、ベンチで頭を抱えていた。

(俺に出来る事など無い……滅ぶモノは滅ぶままにしておくべきだ……能力者が消えゆくのも、また運命か……)

遠くのオークションは、洗脳した人々が壊していく。しかし、この辺りは人々の手が付いていない。ほとんど壊滅しているから。
様々な思惑が絡まって、何を形取ろうとしているのか定かではない。何処に行き着くのかも分からない。
ただ一つ、言えるのは。

「やっぱり……希望なんて、するだけ無駄だったのか……」



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どなたか、儚羽を見つけてくださると嬉しいですm(_ _)m

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