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夕飯時のピークを過ぎたからなのか売り場が閑散としていた
野菜も買った、肉も買った、あとは牛乳
乳製品のある棚に向かう途中、曲がり角で見覚えのある長身が目に入る
気がついたときには
もう遅かった
でも、傘は持ってきてないし
特に用もないのに話しかけるのも面倒だから
よかった、なんて思って思ってしまった
『やっぱりそうや』
商品を選んでいたら、その面倒がやって来た
お久しぶりですね元気でした?とニコニコ笑う彼
「お久しぶりです、お陰様で、ありがとうございます」
そちらは?と聞く前に、良かった僕もです と返される
「すみません、まさかこんなとこで会えるなんて思ってなかったので
傘、家に置いて来ちゃいました」
『傘?あー、そういえば傘貸しましたね、
失くしたと思って新しいの買っちゃいました』
そう言って笑う彼がどこか可愛く見えた
『だからその傘は、お姉さんにあげます』
「悪いですよ、ちゃんと返しますんで」
『いやいやほんまに』
「そういうわけにもいかないので、ちゃんと返します
それじゃ急いでるので」
すみません失礼します と言い残して早足で私はその場を去った
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作者名:弦 | 作成日時:2020年7月13日 6時