雨降る夜に待ち合わせを【桃】 (ページ40)

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『分かったありがとうまたね～』
　
　
　

久々に濵ちゃんとサシで飯に来た
　

　
『ごめんごめん、おかんからやった』

　
濵「全然。おかんなんて？」

　
『なんも。元気～？ってだけ(笑)』
　
　
濵「ようそんな電話かかってくるよな、俺んとこなんかほどんどあらへんで」
　
　
『だって、俺やもん(笑)』
　
　

”どういうことやねん！”とツッコむ濵ちゃんを前に
　
　
携帯の通知画面を見るとAちゃんからの不在着信があった

　
　
　
『え、ちょ、濵ちゃんごめん、また電話してくるわ』
　
　
濵「また～？ええよ、何回でもかけてこい！」
　
　

　
　
折り返すと俺のピアスがソファーで見つかったという内容だった
　
　
　
「これどうしましょうか？持っていきましょうか？」
　
　
『俺今近くにおれへんねんな、』
　
　
　
くっそ、なんで今日に限ってこんな所で飯なんか食べてんねん
　
　
　
今朝別れたばかりやのに、もう会いたくなってる
　
　
今こうして電話越しに声を聞いて尚更、会いたくなっている
　
　
　
　
結局ピアスは預かってもらうことにした
　
　

　
『ただいま～』
　
　
濵「おかえり～、どうしたん？顔暗いけど」
　
　
　
並んだ料理に手を伸ばしながら俺の顔見る濵ちゃん
　
　
　
『なんでよりによって今日こんなとこで飯食ってんねやろと思ってさ』
　
　
濵「おい、それは俺に失礼ちゃうか？」
　
　
『はぁ・・・』
　
　
濵「いや、はぁ・・・やあれへんがな！」
　
　
『うそうそ、ごめん(笑)』
　
　
濵「なんやねん、ほんま」
　
　
『ごめんって、飲も飲も！』
　
　
　
　
　
濵ちゃんは優しい
　
　
最近元気の無かった俺を心配してこうやって美味もん食べに連れてきてくれてる
　
　
でも今日店で顔合わした瞬間、”なんや元気そうやん”ってびっくりしてた
　
　
　
　
その元気になった理由を話してしまいたくなった
　
　
濵ちゃんなら、言ってもいいかもと思った
　
　
　
　
けど、まだ言わない
　
　
　
　
まだ言わないでおきたい