雨降る夜に待ち合わせを【桃】 (ページ25)

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相合い傘をしている時、正直神田さんからの視線には気がついていた
　
　
意外としっかり見てくるもんやからドキドキが止まらへん

　
　
『あの、』
　

「はいっ」
　

焦った彼女が少し動揺してる、なんか可愛い
　
　
　
自宅の場所を聞いて無事に送り届けた後スマートにその場を去ろうと思ったのに
　
　

　ｷﾞｭﾙ～
　
　

うわっ、最悪や、タイミング・・・
　
　
彼女は笑って、ご飯をご馳走してくれるからと家に招き入れてくれた
　
　
　
なんて不用心な人なんやろ
　
　
俺がもしとてつもない変態とかやったらどないすんねん、食われてまうぞ

あかん、何を考えてんねん俺は
　

　

招き入れてくれた部屋は女の子らしい良い匂いがした

『おじゃまします』
　
　

生活感はあまりないけど、綺麗にされている部屋
　
　
なんか神田さんっぽいな
　

この部屋には何かが足りない、あ、あれや
　
　

『神田さんってテレビ見ないんですか？』
　
　
「ここに越してからは見てないですね」

だからか、だから俺のこと知らんねや

自惚れているわけじゃないけど最近はようテレビに出させてもらってるから

見ない神田さんからしたら俺なんてただのデカい一般人なんやろな
　
　
ネットとかも見るタイプじゃなさそうやしな
　
　
　

テキパキと準備している彼女を横目にソファーで料理を待つ俺
　
　
なんかこういうのええな、何か懐かしい
　

『ん～、なんかカレーのええ匂いがする』
　
　

　
用意してくれたカレーが美味くて美味くて、ガッツいて食べていると
　
　
　
「っふ、」
　
　

笑われた
　

　
”可愛らしい” その一言が妙にこしょばゆくて、笑って流す
　
　
　

麦茶を用意してくれた神田さんがこっちへ戻ってくる途中カーペットに躓いた
　
　
　
『っ！？あぶなっ！』
　
　
　
こけるのを阻止しようとしたものの、少し遅く

彼女は盛大にこけ
　
　
俺は盛大に麦茶を被った
　
　
　