2はちょっと面白かった ページ19
「この前、あんたが行った映画館で人が死んでんの。なんか見なかった？ こういう」
Aは右手に握っている蠅頭を順平に見せた。
どこまで話していいのかわからなかったが、元々の作戦では順平と接触したあと、事情聴取をする手筈だ。なら間違っていない、と、思う。
どう？ と首を傾げるAに、順平はなぜか少し後ろに下がった。
「いや、見てないよ」
順平の目は蠅頭に注がれている。
「そういうのが見えるようになったの、最近なんだ」
「そっかぁ……」
わかりやすくガクッと落胆したAになんだか罪悪感が湧く。
「じゃあもう聞くことないかな！」
沈んでいた顔をAはパッとあげる。
聞くことは聞いたし、話している限り順平はこの事件には関わっていないのだろう。
そう結論づけたAは肩の荷がおりた、と息を吐いた。
「え、もういいの？」
「うん！ あ、でも一応あたしの上司？ みたいな人が来るまでここで待っててくれない？」
「いいけど……」
上司？ 高校一年生の上司？
謎が深まる順平にAは気にせず口を開けた。
「映画館でなに観てたの？」
「昔のリバイバル上映だから言ってもわかんないよ……？」
「いーからいーから！」
Aの笑顔に負けて順平は渋々あの日見たタイトルを口に出した。
「ミミズ人間3」
「あれ超つまんないよな！ それのせいで何度殴られたか……」
(……殴られた？？)
と、いうか観ているのか。
なんとなくAの第一印象をいわゆる「陽キャ」にしていた順平はその意外さに目を丸くさせる。
「でもスプラッタ映画だからさ、その描写以上の内容を求める僕たちが悪いのかもね……」
でも、と順平は言葉を続ける。
「2は――」
「でも2はちょっと面白かったよね！」
Aの言葉に順平は勢いよくAを見た。
今まさに順平が言おうとしていたことをAが言ったのだ。
順平はきらきらと目を輝かせてAとの距離を少し詰める。
「そう！ そうなんだよ！ 2だけは楽しみ方があるんだよ！」
自然と順平の顔から笑顔がこぼれる。
初めて見た彼の笑顔に、Aも自然と口元が緩んだ。
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます！私もこの2人が大好きなんです〜！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月13日 23時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください！！！ (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年1月6日 0時
