嫌いな奴のズボンは脱がせ ページ17
作戦通り蠅頭を放ったものはいいものの、まさか吉野順平のほかに人がいるとは思わなかった。
あらぬ方向に逃げ出した蠅頭を追いかけたAは、ようやく一匹を捕まえることができた。と思った瞬間、飛び出した勢いを殺せず、予期せぬ形で吉野順平と接触してしまった。
ぐるんっと空中で前転し、着地する。少しふらついて電柱に頭をぶつけてしまったがご愛嬌ということにしておこう。
「いてて」
頭をさすりながらAは蠅頭を握りしめたまま順平の前に立った。
さっき確信した。
彼は呪霊を視認できる。
「なぁ、ちょっと聞きたいことあっからさ、ツラ貸して」
Aの飴色の瞳の中に順平が映り込む。
距離の近さに順平は思わず二、三歩後ろへ下がった。純粋そのものの目に映る自分を見ていられなくなったからだ。
ふと、きらりとしたものが目に飛び込んできた。
それはAのつけている渦巻き模様のボタン。
「待て、今俺が話してるだろ！ 失礼だな！」
どん、とかなりの力で担任が押すが、Aはビクともせずに「えぇ〜……」と顔をしかめた。
「いや、かなり大事な用でして」
「大事な用！？ 子どもがなに言ってんだ！ だいたい」
「そぉいっ！！」
だいたいなんなのか、結局聞けずじまいだった。
Aが担任のズボンを思い切り下げたからだ。
見事にパンツ一丁になる担任。
順平はさっきまでの怒りが吹き飛ばされたのを感じた。
「なにすんだ、このガキ！」
すったもんだの末、すっと立ち上がったAの手には担任のズボンとベルトが握られている。
ニヤッ、とAの顔が意地悪く笑った。
「持ってかないでぇぇぇええ！！！」
蠅頭をポケットに押し込んだAは担任の前で回れ右をすると、そのまま駆け出した。
兎よりも速く走るAを追いかける担任。
みるみるうちに少女の姿が見えなくなった。
「……なんだったんだ……」
呆然と呟いた順平の肩をだれかが叩く。
「そんじゃ行こっか」
ズボンを片手に走って行ったはずの少女がからりと笑って立っていた。
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます！私もこの2人が大好きなんです〜！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月13日 23時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください！！！ (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年1月6日 0時
