熱を持つ右手 ページ2
空中に投げ出されたAは手足をバタバタさせるが、それも虚しく床に体を打ちつけた。
受け身でなんとか衝撃を流し、Aは起き上がろうと腹筋に力を込める。
しかしそれよりも早く、五条の膝が顔の真横にどんっと置かれた。
「実戦なら死んでたね」
五条の無駄に長い手足によって押さえつけられたAの両手両足。
五条の体重が少し後方に動く。それだけでAは少しでも体を動かせば、全身が悲鳴をあげた。
「Aの呪力はさ、遅れてやってくるね」
「え、このまま話すの？？」
ある程度呪力のコントロールができるようになってきたAはここ一週間ほど前から五条と組手をするようになっていた。
Aの拳が五条にかすったことすらないが。
「Aの瞬発力に呪力が追いついてない。呪力を留める技術もまだ未熟だから軌跡に残りがち」
いつもの目隠しはなく、サングラス越しにAと五条の目がかち合う。
透き通った青の瞳は息を軽く切らしながらも五条の言葉を理解しようと顔をしかめるAを映しこんでいた。
「それが逆に変則的な呪力の流れを作ってる。拳が当たったと認識した直後に呪力がぶつかってくる。つまり」
おかしな体勢であることのツッコミは放棄し、Aは口を開いた。
「つまり、一回の打撃に二回の衝撃が生まれる！」
「正解！」
Aの導き出した結論に五条はにっこり笑った。
とりあえずAの上から体をどかし、いてて、と腰をさするAに手を差し出す。
Aは「ありがと」と言いながらその手を掴んだ。
繋いだ手がじわりと熱くなる。
「じゃあ次からはそれを意識してやってみるね！」
ふんす、と意気込むAに五条は頷きながら自分の、未だに熱を持っている右手を見下ろした。
「……これは、困ったな」
「どったの？ 先生」
顔を覗き込み、首を傾げるAに五条は誤魔化すように彼女の頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。
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柊(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます！私もこの2人が大好きなんです〜！応援ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月13日 23時) (
レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください！！！ (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2021年1月6日 0時
