◎出会ったのは #桃 ページ40
ゆめまるside
てつや「〜〜〜♪♪♪」
部活の準備中、てつやがいつになく機嫌がいい。
理由は分からんけど、わざわざ聞くまでではないな。
しばらく放っておくと、てつやが自分から話し出した。
て「今日Aちゃん見に来るらしいからがんばっちゃお〜」
ゆ「Aちゃんって…、あの例の転校生?」
て「そ!」
り「俺その子会ったかも、昨日」
て「なんで?!」
り「何でもいいでしょ」
て「ちょっと何それー!聞いたっていいでしょぉ」
2年生が始まって初日からその転校生の噂は聞いてたから、名前だけは知ってた。
てつやのクラスとは教室の階も違うのに、ここまで話が伝わってくるとかその転校生有名人すぎん?
て「あ、きたきた!おーい!」
てつやがぶんぶんと手を振った先を見ると、リュックを背負った女の子が小走りでやってきた。
『お待たせ、なかなか見に来れんくてごめん〜』
色々あって忙しくてさ、と喋るその子は息が上がっている。ここに来るのにも急いできたっぽい。
ゆ「初めまして」
少し周りをキョロキョロと見てから俺を見つけた小栗さんは、慌てたようにぺこっとお辞儀をしてくれた。
動きがいちいち細かくて小動物みてぇ。
『あ、初めまして!小栗Aっていいます、』
ゆ「俺は杭田夢丸です」
『杭田くん、!よろしくね』
こういう初対面の人呼ぶ時って、だいたい苗字にくん付けで呼ぶもんだと思ってる。
だからそう呼ばれて何もおかしくないし、初対面で馴れ馴れしい奴は大っ嫌いだから、名前で呼ばれなくて全然いい。
でも、何か分からんけど、ちょっと残念な気持ちになってしまった。
…って、俺が名前で呼ばれること期待してるみたいやん、
俺を呼んでにこにこしている彼女は柔らかい空気を纏っていて、どこか人を惹きつける雰囲気がある。
もっと知りたいと思った。彼女のこと。
俺らしくない?…そんなの自分でも思ってる。
り「俺、福尾亮。覚えてない?」
『あ、あの時の!』
て「何?!何あの時って!」
『私が階段から落ちそうになった時助けてくれたの』
ゆ「出たわイケメン」
り「俺がぶつかったのが悪いんだけどね」
『え、いやりょ…福尾くんは悪くないよ、』
り「りょうでいいよ、苗字じゃなくて」
『あ、いいの?』
り「うん、てかむしろそうして?」
『わかった、りょうくんね』
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国産小麦のちーずぱん(プロフ) - 金魚きんぎょさん» 嬉しいですほんとにモチベになります(;_;)ありがとうございます! (2020年11月1日 22時) (レス) id: 0153e246cb (このIDを非表示/違反報告)
金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです! (2020年11月1日 20時) (レス) id: c103e928da (このIDを非表示/違反報告)
国産小麦のちーずぱん(プロフ) - 望愛さん» うわぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります(;▽;) (2020年9月28日 7時) (レス) id: 0153e246cb (このIDを非表示/違反報告)
望愛(プロフ) - 初コメです!作品拝見しました〜!!これからの更新すごく楽しみです!!応援してます!!! (2020年9月28日 0時) (レス) id: 51ee6da544 (このIDを非表示/違反報告)
国産小麦のちーずぱん(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» コメントありがとうございます。その言葉、本当に励みになります(;_;)橙さんですね、了解しました! (2020年9月27日 19時) (レス) id: 0153e246cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:国産小麦のちーずぱん | 作成日時:2020年9月26日 15時