6色と#ffffffの彼女【東海】

◎出会ったのは #黄 ページ35

『あーちょっとくらい遅れても平気かな…もっと喋ってたい』


やっぱり大丈夫じゃないかもしれん。
……でも、もっと喋ってたいって思われてるのはちょっと嬉しい。


し「いやだめです！あともうちょい、」

『ははは、そらそやんな！』

…ん？方言…三河弁じゃない！

し「え、関西弁？」


『……あー、出ちゃってた？…そう、生まれ大阪なんよ
あんま他の地域では喋らないようにしてたのに』

しばゆーが喋りやすいからかな、なんて呑気に呟いてる。

関西弁のAめっちゃいいな、ていうかそんなに言われると照れるからやめてくれん、？


し「…っと、着いた着いた」

最後の階段を上りきる。もう地学室は目の前だ。


『あーありがとうほんと、助かった！』


俺の目をまっすぐ見て微笑むA。

やーば。
ちょっとまじで、…かわいいなって、、思ってしまった。…いや冗談抜きで。

大きい目は笑うと目尻がぐーっと下がって、こっちまでつられて笑顔になってしまう。

し「もう迷うなよ笑」

『ふふ、はーい、！』

『ありがと、またね』と手を振って背中を向けたと思えば、次の瞬間ぐるって振り返って、


『また喋ろ！何かうちら気ぃ合いそうやわ』


コテコテの関西弁を言い残し、小走りで地学室に向かっていった。

…初めてかもしれん、こんなテンポ良くて笑える会話女子としたの。
Aとの会話とか表情を思い出して、1人でにやけながら教室への道を急いだ。

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