6色と#ffffffの彼女【東海】

◎初めまして、？ ページ14

てつやside




て「そういえば小栗さん、」

『あ、私のことも好きに呼んでくれたらいいよ、…ていうか、呼んで欲しいかな…』


少し俯いて、恥ずかしそうに呟く彼女に少し胸が高鳴るのを抑えながら、横並びでゆっくり歩く。


て「ん〜〜じゃ、これからはAちゃんで！」

冷静を装って答えると、うんうんと嬉しそうに頷くAちゃんは『それでそれで？』と話の続きを促す。


て「あ、いや部活とかどうすんのかなーって」

『部活かー、それがまだ決めてないの』


入るかどうかもまだ決まってなくて、と続ける彼女の前に素早く回りこむ。


て「決まっとらんならさ、１回陸上部来てみてよ、見学だけでもいいからさ！」

『わ、分かった、…』


俺の迫力に押されてAちゃんはぎこちなく頷く。

よっしゃ、こりゃ部活にも1層身が入るなぁ。


キーンコーンカーンコーン…

いつの間にか一限の時間だ。授業開始を知らせるチャイムが頭上に鳴り響く。


「、、やばいね」なんて顔を見合わせれば、すぐに廊下を駆け出す俺たち。

2年生始まって早々に遅刻は流石にまずい！


『、んふふふ、… はははは！』


横を必死に走る俺の顔を見て笑い出すAちゃん。
何だか俺までおかしくなってきちゃって、2人して笑いながら廊下を駆ける。


教室に戻るやいなや、「おせーぞー」「てつや小栗さん困らせんなよー！」とヤジが飛び、先生に注意されたのは言うまでもない、か。

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