7 ページ7
Aが恐る恐る身体を撫でると、烏は気持ち良さそうに目を瞑る。
暫く撫でてやると満足したのか、烏はAの瞳を見つめると、天高く羽ばたいていった。
龍宮寺「なんだったんだ？」
佐野「ソレ、藤の花っていうの？」
「うん。ほら、たまにこういう風になってるの見た事ない？」
Aが花の茎を持つと少し上に上げると、花先は重力に従い下に垂れ風に揺れる。
佐野「あぁ、たまになってるブドウみたいなやつ？」
茎側から花先にかけて細くなっており、藤棚はブドウ畑のようだからだろう。
佐野の表現に、Aは思わず吹き出す。
「ブドウって、ふふ…確かに似てるかもね。」
佐野「ね、見えるっしょ？」
龍宮寺「しかしあのカラス、どこから取ってきたんだ？」
さぁ？と佐野は答えると、Aの手元の花を手に取る。
そのまま視線をAの顔へ移すと、首を傾げる彼女の耳元に花の茎を挿した。
佐野「お、可愛い可愛い。」
そう言って笑う佐野を、隣に座る龍宮寺は呆れた顔で眺めていた。
＿＿＿＿＿
某日、武道は東卍の集会に呼ばれた帰り、頬に出来た傷を擦りながら帰路についていた。
ちなみに今回の傷は恋人である日向からの、浮気未遂への報復である。
武道「はぁ…どうするかなぁ…」
「何が？」
武道「どぅわっ！ね、姉ちゃん！？」
武道は考え事をしながら歩いていた為、横から歩いて来たAに気付かず飛び上がった。
「そんなにびっくりしなくても…」
可笑しそうに笑う姉を見て、武道は先程までいた未来での出来事を思い出す。
武道(そうだ、ドラケンだけじゃない…姉ちゃんの事も助けるって決めたんだ…)
＿＿2017年、直人の自宅。
現代の東卍についての資料を漁っていた武道は、ファイルに閉じられた古い新聞記事の切り抜きを見つける。
武道「ん？これだけ記事が小さい…えーっと、『今月十日、都内に住む高校生・花垣Aさん十六歳が、何者かに刺され死亡』………え？」
ドサリと音を立て、武道が持っていたファイルが床に落ちる。
音に気付いた直人は振り返ると、彼の足元に落ちているファイルを目にして声を上げた。
直人「どうしたんです武道く……っ！そのファイルは…！」
直人は慌てて武道に近寄り、ファイルを拾い抱えた。
直人「すみません武道君…見たくなかったですよね、こんな記事…」
武道「直人……それ、俺の姉ちゃん…だよな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 363人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます！頑張って更新します！ (4月25日 21時) (
レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです！！！！更新待ってます！！！！ (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです！ (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：子持ちししゃも | 作成日時：2023年10月19日 23時
