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「私は花垣A。改めてよろしくね。よかったらパン食べる?」
Aが袋を広げて見せると、佐野は嬉しそうに目を輝かせた。
佐野「え、いいの?やったーありがとう!俺あんぱん食いたい!」
龍宮寺「こらマイキー、図々しいぞ。」
「いっぱいあるから好きなのどうぞ。ドラケン君は何がいい?」
龍宮寺「スンマセン、頂きます。」
二人はAの座るベンチへ並んで腰を下ろすと、選んだパンに齧り付く。
ちなみに佐野はあんぱん、龍宮寺はジャムパンを選んだ。
佐野「うま!このパンめちゃくちゃうめぇ!」
龍宮寺「パンもジャムも絶妙なバランス!これどこのッスか?」
「この先に竈門ベーカリーってパン屋さんがあってね、そこのなの。」
龍宮寺「へぇー、よく行くんスか?」
「ううん、今回が初めて。」
美味しくて何個でも食べてしまいそうだ、と困ったように笑うAに、龍宮寺は先程の彼女の呟きの意味を察した。
「ところで二人はお揃いの服着てるけど、どこか行くの?」
佐野「うん、これからちょっと集会に。」
「集会?」
佐野「俺等、東京卍會ってチーム組んでんだ。」
「へぇ、かっこいいね。」
佐野の袖に刺繍された文字を撫で、Aはふわりと笑う。
佐野は何かを思い付いたのか、残りのパンを口に放り込み大きく咀嚼する。
そして口内を全て飲み込むと、Aに目を向け楽しそうに笑った。
佐野「Aも集会来る?ていうか来いよ。」
「えっ?」
佐野「なぁケンチン、いいよな?そんでタケミっちも呼ぼうよ。」
龍宮寺「お、そうすっか。」
「ちょ、ちょっと待って!」
Aの制止に、二人は目を向ける。
「悪いんだけど、今日はやる事が…」
龍宮寺「予定あんなら仕方ねぇッスね。」
佐野「えー、俺より大事な事……ん?」
何かに反応した佐野の視線をA達が追うと、一羽の烏がこちらをジッと見つめていた。
その嘴には花が咥えられており、烏は跳ねながら三人へと近寄って来た。
佐野「なんだこのカラス、花咥えてる。」
「え、私?」
烏はAの膝へ飛び乗ると、咥えた花をそっと下ろした。
カァと小さく鳴きAを見上げると、何か言いたげな瞳で彼女を見つめる。
「えっと…ありがとう。これって、藤の花?」
藤の花の見頃は四月から五月。
にも関わらず、烏が持ってきた藤は7月の半ばだというのに艶やかな紫色を放っていた。
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時