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半間「…無意識かよ。」
「そうだよ、絶対無意識だよ。」
半間が言ったのはAの行動に対してなのだが、彼女は先程の言葉に対しての返事だと思っているようだ。
半間は鼻で笑うと、「ところでさぁ」とAの手を取り自身の鼻先に近付ける。
半間「ずっと思ってたけど、Aちゃんって良い匂いすんね。なんの香水?」
「香水?付けてないよ…あ、お香かな?」
半間「お香?」
「うん。いつも部屋で焚いてるから、その匂いかも。」
半間「ふーん、俺この匂い好き。」
半間はAに抱き着き、首元の匂いを嗅ぐ。
くすぐったいと笑う彼女は、どうやら嫌ではないらしい。
「そうやって身体に匂い擦り付けなくても、同じやつ教えてあげるよ。食べ終わったら買いに行く?」
半間「んー、そうする。」
半間が離れ再びパンを食べ始めると、Aもまた、手に持っているパンに齧りついた。
_____
武道「どうしよう…どこ行っちまったんだよ、姉ちゃん…」
武道は「あとは姉を助けるだけだ」と考えながら病院を出て歩いている途中、今日が新聞の切り抜きで見た日だという事に気付き焦った。
Aに電話をかけても一向に出ず、連絡をくれるようメールを送り数時間、彼女が行きそうな場所をくまなく探していた武道は、ポケットで震える携帯に気付き急いで通話ボタンを押す。
武道「姉ちゃん!?今どこ!?」
《どうしたの武道?何回も電話よこして、なにかあった?》
武道「無事なんだね?今一人?」
《なにそれ。さっきまで友達といたけど、今は一人だよ。》
携帯から聞こえるAの声は、武道の心配をよそに楽しそうである。
武道「とにかく、今どこにいんの?」
《今?今ねぇ…》
Aの居場所を聞き出した武道は、その周辺にあるコンビニを指定し、そこで待つよう言って電話を切った。
通話を終えしばらく走り、やっとAと合流した武道は安堵のため息を漏らす。
彼の気苦労を知らぬAは、首を傾げ不思議そうに弟を見つめた。
「用事があるなら、家で待っていればよかったのに。」
それでは手遅れになるかもしれない。
そんな事を言えるはずもなく、武道は笑って言葉を濁した。
会って早々に帰ろうと歩き出す武道に、Aは不思議に思いながらも隣を歩く。
武道「姉ちゃん、今日病院行った後どこ行ってたの?」
姉からいつも香っているものに、ほのかに煙草のような匂いが混じっていることに気付いた武道は尋ねた。
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時