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飲み物を買って自宅へ戻ると、Aが家を出る時にはいなかった龍宮寺と佐野が庭先から飛び出して来た。
彼等はAに気付くと、龍宮寺は若干気まずそうに、佐野はAに会えて嬉しいようで、楽しそうに挨拶をする。
佐野「A〜、遊ぼーよ!」
「こんにちは。二人も来てたん……え、」
二人から庭へと視線を移したAは、言葉を失った。
今朝綺麗にしたばかりの庭には、武道の自転車やらバットやら、様々なものが散乱していたのだ。
武道「あ、あの…姉ちゃ、これは、」
「武道。」
名を呼ばれ、武道は小さく悲鳴を上げる。
笑顔で自身を見つめる姉の目が、笑っていないからである。
武道は口を開閉させ、冷や汗を流しながらAを見つめた。
「ねぇ武道。コレ、どういう事?」
武道「あの、えっと…」
弟が狼狽えながら佐野と龍宮寺に視線を送っている事に気付いたAは、振り返って二人を呼ぶ。
「ねぇ二人共、ちょっとこっち来てくれる?」
佐野「俺悪くねぇし。ケンチンのせいだもん。」
龍宮寺「マイキー、テメェ!」
「……そう。二人共ここに座りなさい。」
そう言ってAが指差したのは、彼女の前にいる武道の隣__つまり地面だ。
佐野「えー?なんで俺が」
「座りなさい。」
龍宮寺「…ッス。」
Aの圧を感じ、罪悪感がある龍宮寺は大人しく座るが、佐野は不服そうに口を尖らせ立ったままでいる。
マイキー、と呼ばれ渋々彼が座ると、Aは武道もその場に正座をさせた。
「買い物に出るまでは綺麗だったはずの庭が、どうしてこんなに散らかってるのかな?」
武道「あの…マイキー君とドラケン君が…」
佐野「俺のせいじゃねぇもん。悪いのケンチンだし。」
龍宮寺「ア゛?マイキーが先に投げてきたんだろ?」
佐野「そもそもケンチンが、」
「二人共。」
Aに遮られ、二人は言葉を止め顔を上げる。
「つまり二人が散らかしたのね…この落ちてる物が全部誰の物かは、わかってる?」
佐野「うん…」
龍宮寺「ハイ。」
「ならどうすればいいか、わかるよね?」
二人は頷くと、申し訳無さそうに武道に頭を下げる。
と言っても、佐野に関しては渋々といった様子である。
二人に謝罪をされ、武道は戸惑いながらも気にしないで欲しい、と彼等の頭を上げさせた。
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時