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男「ばはっ!返り血だっつってんのに安心するとか、変なヤツだな。アンタ、名前は?」
「花垣Aです。お兄さんは?」
半間「俺は半間修二…つーかそんな簡単に名前教えちゃって、危ねえよ?Aちゃん。」
「貴方が聞いてきたんじゃないですか…」
口を尖らせるAに、半間は目を細め口角を上げる。
Aはコンビニ袋をベンチの空いている所に置くと、半間に待っているよう告げて、すぐ側にある水道へと向かった。
戻って来た彼女の手にはハンカチが握られており、端からポタポタと雫が垂れていた。
Aは半間の隣に腰を下ろすと、身体をこちらに向けるよう指示する。
半間「なに?」
「血、落としてあげますから大人しくしてて下さいね。」
Aは半間の頬に手を添え、濡れたハンカチで優しく血を拭っていく。
真剣な表情で自身の顔を拭く彼女に、半間は少しイタズラ心が芽生え、顔を徐々に近付けた。
「ちょ、近いんですけど。動かないで下さいよ。」
半間「ばはっ!オモロッ。」
顔に付いていた血が取れると、Aは再び水道へ行きハンカチを揉み出す。
半間「アンタ、お節介って言われねぇ?」
ベンチに戻って来たAに、半間が尋ねた。
「特に言われた事は…ごめんなさい、迷惑でしたか?」
半間「いや別に。ただ俺みてーな人間に関わると、ろくな事ねぇよ。」
「悪い人なんですか?」
首を傾げるAに、半間はニヤリと笑って肯定する。
それを冗談と捉えたのだろう。
Aは可笑しそうに小さく笑った。
半間「つーかAちゃんって何歳?俺とそんな変わんねぇように見えっけど。」
「高一です。」
半間「タメじゃん。」
「えっ!?」
半間「驚き過ぎじゃね?何歳に見えたの?」
「てっきり二十歳超えてると…」
意外そうに目を瞬かせるAに、半間は楽しげに声を上げて笑う。
半間「失礼なヤツ〜。というわけでAちゃん、敬語禁止ね。」
「え、」
半間「タメだし、アンタおもしれぇし、俺のダチね。」
「どんな理屈……あっ!」
突然声を上げたAは、隣に置きっぱなしにしてあるコンビニ袋を開け中身を取り出す。
先程買ったアイスは、この暑さにやられて半分程溶けてしまっていた。
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時