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武道「"姉ちゃんに手紙を渡す"、"姉ちゃんと買い物に行く"、"ちゃんと素直になる"……?姉、ちゃん?」
自分に姉などいただろうか、と武道は首を傾げる。
次いで封筒に手を伸ばし、中の手紙を開いた。
【姉ちゃんへ__照れ臭くて言えないから、手紙を書きます。いつも怪我して帰ってくる俺を手当てしてくれてありがとう。折角心配してくれてるのに、手を振り払ってごめん。うざいとか、触んなとか、良い子ぶって嫌いとか言ってごめん。いつも酷い事言っちゃうけど、本当は優しい姉ちゃんが大好きです。また昔みたいに、一緒に出かけたりしたいです。__武道。】
手紙を読み終え、便箋の端に雫がポタリと落ちた。
武道は頬に手を当てると、それが自身の瞳から溢れている事に気付く。
武道「あれ?俺、なんで…」
武道は袖で涙を拭い、再び箱に目を向け、写真を取り出す。
それは幼い男女がベンチでアイスを食べている写真で、鼻や口周りをベットリと汚した男の子を、女の子が甲斐甲斐しく世話をしているのを写したものだった。
武道「コレ、俺だ…じゃあこの子は…」
顔つきからして、先程の彼女である事は明らかだった。
写真の裏には、【A・六歳、武道・四歳】と書いてある。
武道は写真を持ったままベッドに寝転がると、瞼を閉じた。
武道(俺、姉ちゃんいたんだ…でもなんでだ?なんで俺の記憶にはいないんだろう?)
武道は閉じた瞼の裏に彼女を思い浮かべながら、そのまま夢の中へ落ちていった。
_____
翌日武道が思案しながら学校へ行くと、友人の千堂敦が、花垣を含め四人に集合をかける。
昨日に続き本日も喧嘩賭博をやるようで、それを知らせに来たようだ。
本日の参戦者は、山本タクヤ__彼は身体が弱く、喧嘩が得意ではない。
仲間の鈴木マコトと山岸一司がその事を指摘すると、千堂は「キヨマサ君に言えよ」と悔しそうに口にする。
"キヨマサ"とは、喧嘩賭博の主催者で東京卍會のメンバーである"清水将貴"の事だ。
だがこの喧嘩賭博、実は東卍では禁止しており、このキヨマサが独断で行っているものだった。
しかしながら彼等は東卍がどういったモノなのか大まかな事しか知らず、東卍全体がキヨマサ達のような集団だと考えていた。
不安気な表情を見せる武道に、山本は"仇を取ってくる"と明るく笑う。
山本「勝ったら牛丼奢れよ?」
武道「タクヤ…」
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時