1 ページ1
2005年7月__花垣武道は今回二回目のタイムリープをし、喧嘩賭博で失神してしまうという失態を犯してしまった。
もう無理だ、未来に帰ろう。
そう思いトリガーである橘直人に会いに行った先で、未来で死んでしまう現在の恋人・橘日向と顔を合わせる。
明るく「また明日」と手を振る日向を見て、彼女は死んではいけない_改めてそう思った武道は、溢れる涙を拭い、未来に帰るのを思い留まったのだった。
帰宅して玄関で靴を脱いでいると、背後から「武道」と呼ばれ、振り返る。
そこには武道の記憶にはいない女性が立っており、心配そうに彼を見下ろしていた。
「また怪我してる…手当て、する?」
武道「あ…えっと…?」
武道が戸惑っていると、彼女は目線を合わせ、彼の頬に手を添える。
「どうしたの?今日の武道、なんだか違うね。」
いつもなら怒って手を振り払うのに、と小さく笑う彼女の瞳は優しく、武道は目を離せずにいた。
ふとリビングへ通じる扉が開き、武道の母親が顔を出す。
母は彼のボロボロになった姿を目にし、深くため息をついた。
母親「武道、アンタまたそんな汚して…洗濯する身にもなってよね。」
「いいじゃない母さん。男の子だもん、元気な証拠だよ。」
母親「それ言っていいの、小学生まででしょ。」
呆れる母を「母さん」と呼ぶ彼女は、紛れもなくこの家の人間のようだ。
だが何故武道の記憶にいないのか。
武道は自室へ戻ると、なにかわかるものがないかと探す。
引き出しや箪笥、本棚もあちこち調べるが、並んでいるのは漫画ばかり。
今日はもう諦めようと視線を落とした先に、本棚の一番下の段の一箇所だけが、不自然に手前に出ていた。
武道は飛び出している本を取り出すと、その奥を覗く。
武道「なんだ、コレ?」
出てきたのは、小さな鍵付きの小箱。
鍵は何処だと探せば、机の引き出しに付いている鉛筆入れの端の枠に小さな鍵がひとつ、存在を主張するかのように置いてあった。
武道は鍵を手に取り、小箱に付いた小さな南京錠の鍵穴に挿し込み回す。
カチリ、と音がなり、安物に見えるそれは容易に開いた。
自分のモノのはずなのに、武道は何故か心臓が激しく動くのを感じる。
武道「コレって…」
中には数枚の写真と封筒、そして何回かに折り込まれた紙が入っていた。
紙を開いてみれば、そこには"やる事リスト"と書かれており、武道の字でいくつかメモが書いてあった。
363人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時