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初めて ページ9





「スバルくん…」



「あれぇ?渋やんやんかぁ」



引き離してくれた人物は、少しだけ顔を険しくさせたスバルくんやった。



どうやら金髪の先輩達とスバルくんは知り合いやったみたいで、お互いをヤス、渋やんと呼びあった2人は対峙するように視線を交わらせる。



「…ヤス。お前一体…何しようとした?」



「何って…僕なりの告白をしただけやんかぁ。おーくらくん、めっちゃ俺の好みやってんもん」



「っ…!お前ェ…」



忠義傷つけたらただじゃおかんからな。



俺はコイツのこと守るよう言われとんねん。



スバルくんは今まで僕が見たことないくらい怖い顔しとったけど、金髪の先輩は特に怯えた風もなく微かに微笑んで、また僕の元に寄ってきた。



「おーくらくん」



「…え?」



「…俺、安田章大言うねん。
…今日は渋やんの顔に免じて帰るけど、次からは一緒に帰ろなぁ?」



ほななぁ。耳元で声がしたと思ったらいつの間にかほっぺたにもキスされとったみたいで、スバルくんがゴラァ!と地を這うような声で叫びをあげた。



「………っ」



安田さん、と名乗った金髪の先輩と男前の先輩が校門を抜け姿が見えなくなると、僕は緊張の糸が切れたかのようにその場にペタリと座り込んでしまった。



「っ忠義!大丈夫か!」



慌てたようにスバルくん達が駆け寄ってくれたけど、僕にはそれに応える余裕もなくて、



「…めて、」



「え?」



「初めて…兄ちゃん達以外の人にチュウ、されてもうた…」



「初めてって…ええ!?」



驚いたように声をあげる相葉くん達の叫びも頭の中には入ってこず、僕はしばらく唇に残った感触に放心状態になるだけやった。



.

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あらと∞(プロフ) - 緑夏さん» 緑夏さん、いつも温かいコメントをありがとうございます!いえいえ、そんなとんでもない!私の方こそ、今も毎日緑夏さんのtorn小説をひっそりと楽しんでいるというのになんのコメントも送れていないで…申し訳ないです汗 オマケ話も、ご期待に添えるよう頑張りますね^^ (2017年8月17日 23時) (レス) id: c9fd3073c9 (このIDを非表示/違反報告)
緑夏(プロフ) - あらとさん、完結おめでとうございます^ ^ ずっと読ませてもらっていたんですけど、完結したタイミングでのコメントになってしまい申し訳ないです…。 鈍感で少し天然な大倉くんすごく可愛くて癒されました♪ おまけ話も楽しみにしてます! (2017年8月17日 21時) (レス) id: b28e673c31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あらと∞ | 作成日時:2017年7月15日 22時

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