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今日も移動教室やら随分とめんどくさい授業を乗り切り、やっとお昼の時間になった。
昨日みたいに机をくっつけて座る。
『ねえ、思ったんだけど…』
弁当を広げながらAが口を開く。
洸希「ん?」
『パンだけで足りるの?昨日もパンだったよね?』
洸希「まあ…足りるか足りないかって言われたら全然足りないけど」
『購買でパン買って食べるより、食堂でカレーとか買って食べた方がいいんじゃない?』
洸希「周りがうるさいから」
俺が食堂で食べると誰が俺の周りに座るかで争いが起きるし、必ずうるさくなる。
そういうの本当にめんどくさいから、いつも人目がつかないところで食べてたっていうのに。
『そんなことより体の心配をして!
年頃の男の子がパン1つなんて…』
それに私がいたら女の子たちも来ないでしょと卵焼きを頬張るA。
洸希「…卵焼き」
『ん?いる?』
洸希「いる」
『いいよ、はい』
美味しそうに焼かれた卵焼き。
おもわず唾を飲んだ。
洸希「え?」
『ほら、早く』
いると言ったはいいものの、はい、と箸で掴んだ卵焼きを俺に向けられてる。うん、なんと言ったらいいだろうか。あーん状態だ。
洸希「あ、うん。」
動揺してるのがまるわかりだ、恥ずかしい。
まるで俺が女に慣れてないみたいじゃん(慣れてない)。ポーカーフェイスを崩さないように箸で掴まれた卵焼きを食べてやった。
『どう?今日ちょっと甘めになっちゃったんだけど』
洸希「んーうまい。俺、甘めの方が好きだわ」
『ほんと?よかった〜笑』
洸希「ていうか自分で弁当作ってんの?」
『うん、まあね。手抜き弁当だけど』
洸希「どこが…」
そんなことよりさっきの話だけど!
と続けるAにギクッとする。
『余計なお世話かもしれないけど、お昼は食堂行こう?健康を考えて』
洸希「うーん、考えておく。気が向いたら行こう」
『ちょっと…』
洸希「パンだって、何個も食べれば結構お腹いっぱいになるけど?」
『そーゆーことを言ってるんじゃなくって!』
初めてできた友達は、無条件に俺のことを心配してくれる。なんて言ったらいいかわからないけど、それにちょっと心が温かくなったし、嬉しい気持ちになった。
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花姫(ソヨン)(プロフ) - しぃたむさん» コメントありがとうございます!更新遅れていて申し訳ございません…!当方、学生であるため、テストが終わり次第更新します! (2019年10月10日 17時) (レス) id: 0da49b69df (このIDを非表示/違反報告)
しぃたむ(プロフ) - 続きが見たいです!!!!!! (2019年10月9日 23時) (レス) id: 3cf689c57d (このIDを非表示/違反報告)
咲希(ソヨン)(プロフ) - ゆんさん» 分かりました!ありがとうございます! (2019年8月19日 9時) (レス) id: 0da49b69df (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 咲希(ソヨン)さん» こんなコメント受け入れて下さりありがとうございます<(_ _)>私が見たのは12話辺りだったと思うんですけど、見返してみたら直ってましたので大丈夫です!(^^)更新頑張って下さい (2019年8月8日 1時) (レス) id: f15f360086 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(ソヨン)(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます!どの辺ですか…?教えていただけると嬉しいです! (2019年8月6日 9時) (レス) id: 0da49b69df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲希(ソヨン) | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月23日 14時