田中洸希の憂鬱日記

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またまた噂は面白いぐらいに広まって
二人で笑って喋りながらお昼ご飯を食べてた、なんて。




芸能人かって、俺は。
スキャンダルかなんかですか？

正直毎階毎回騒がしいしめんどくさい。






放課後になるとみんな揃って図書館へ行く。
いい大学に受かるためだ。




だけど俺はいかない。
勉強しなくたってできるから。

…英語以外。






リュックを開いて財布があることを確認すると、前の席にいた市川Aの肩を叩く。





『ん？なに？』


洸希「カフェ行く？」


『カフェ？なんで？』


洸希「んーなんとなく。
制服で遊ぶって憧れてたから」


『…うーん、勉強しなきゃって思ってたけどいいや、いつでもできるし！いいよ、行こう！私も放課後制服で友達とどっか行くっていうの憧れてたの！』







やったー！と喜ぶ市川A。
なんか俺までニヤける。

なんだかんだ昼から仲良くなった俺たち。
人見知りな俺がこんな風に人と接することができたのは正直びっくり。

それほど市川Aとの居心地が良かったのだろう。


だから、もうちょっと仲良くなりたくてカフェに誘ってみた。


友達ってこういう風に色んなところに出かけてもっと仲良くなるもの…だよね？





『待ってて、すぐ帰る準備しちゃう！』





そう言って、リュックの中身を全て出して
明日の授業の科目のノートをリュックの中に入れた。





洸希「なんでノート？」


『家で勉強するの。復習。』


洸希「ふーん、だから頭いいのか」


『よくないよ、全然。
私より頭いい子なんていっぱいいるじゃん』





よし、できた。行こう！と席を立って、俺の腕を掴んだ市川A。それに当然周りはざわつくわけで。




洸希「ちょ、」


『ん？』


洸希「…いや、なんでもない…行くか」







別に、友達だし
こういう風に掴んだりするよな。







別になにも不自然じゃない。
なにも。

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