田中洸希の憂鬱日記

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何事もなく1日が終わった。
ひと安心、…なのか？





『洸希！！今日暇？？』



洸希「うん、なんで？」



『カラオケ行かない？！』






すごく興奮気味に俺に話しかけてきたと思ったら、カラオケに行きたいとのこと。



もちろん俺はいいんだけど、Aは平気なのだろうか。




洸希「いいけど、大丈夫なの？」




『なにが？』




洸希「一応俺…男だし」




『あぁ……。

洸希は、そんなことしないでしょ…？』







うん。


無理やりなんて、ましてやAが嫌がることなんてするわけないだろ。






洸希「あんな奴らと一緒の類いにされるのは御免だね。」




『じゃあ決まり！！』





ルンルンと
そのまま俺らはカラオケへ向かった。






最初、どっち先歌う？なんて言い合いになって
誘ったのはAだからAが先とか
女が先に歌うなんて無理！普通男から！なんて意味がわからない理論を押し付けてきて俺が先とか
言い合いになりつつ最後はじゃんけんで俺が負けて結局、俺が最初に歌った。




最初ってなに歌ったらいいんだっけとかめちゃくちゃ考えた挙句、なんかすごい純愛の曲を歌っちゃったり。




だけどもAは真剣な顔で聞いてくれた。






洸希「…えー、歌うまいじゃん」


『洸希だって！！めちゃくちゃうまかった！なんかもう、歌手みたい！！』






次はAの番。

最初はめちゃくちゃ緊張してたくせにめちゃくちゃ歌が上手くて、天は二物を与えずと言う言葉は嘘だ。与えすぎだ。






また一つ、新しいAを知った。




『洸希のバラード系の恋愛ソング、めちゃくちゃいい！』


洸希「そう？」





俺もめちゃくちゃ褒められるからすっかりその気になって、恋愛ソングを連続で入れた。




真剣に聞いては拍手をして俺を絶賛。
終いには、泣きそうになるA。


え、そんなに感動してくれるの？って笑っちゃう。





洸希「あー、泣くなよ」


『……なんか、感情がこもってる感じがして……』


洸希「………うん」








感情、込めてるよ。

お前に対する感情を

言葉にできない感情を

歌で伝えようと。







洸希「今の俺の気持ちをそのまんま歌にしたような歌だよ。」









意味、わかる？

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