田中洸希の憂鬱日記

27 ページ27

あの雰囲気に耐えられなくなった俺は、その場からAを連れ出した。







『ちょっと、洸希っ！』




洸希「黙って」




『なんでよ！まだ話が…っ！』




洸希「黙ってってば！！」









無理やり引っ張っていた手を離して、Aの方を見る。








『……』




洸希「ごめん、怒鳴って」




『……』









ほんと、なんなのこのイライラ
どうしようもないぐらい腹が立つ。





Aにあたるのは違う

自分でもわかってるんだけど
抑えが効かない。









洸希「でも、なんか知らないけどイラついた。
あいつらがAに対して謝らないことにムカつくし、そんな奴らに謝ってるAにもムカつく。なんなの？なんで謝るの？Aがなんか悪いことしたの？」






『…洸希にはわからないよ』






洸希「……はっ？」








『洸希にはわからない…っ。
心菜ちゃんは洸希に恋してたんだよ？単純に、ひとりの女の子として洸希のことが好きだった。

だから嫉妬してあんなことをしちゃったの。確かにやり方は汚かったかもしれない、最低だったかもしれない。だけど、恋する気持ちを迷惑ってそれはあまりにもかわいそうだと思う。』









……かわいそう…？


岡 心菜が、かわいそうって…？





じゃあ、俺は？



俺の気持ちはどうなんだよ…？






俺だってAが好きって気がついて、岡 心菜からAを守ってやろうとした。



言い方が悪かろうが、俺はAのことを守りたかったから言っただけなのに




……俺は完全に悪者扱いかよ？









洸希「……お前も…俺の気持ちなんかわからねえだろ」




『…っ』




洸希「…どれだけAのことが好きか……わからねえくせになんなんだよ」





『……洸希』






洸希「Aの事をどれだけ好きでも、所詮親友としか思ってないくせに。」









ハッとした。
ああ、俺何言ってんだろ。


これじゃあ、Aに嫌われる一方じゃん。


Aの目にはうっすらと涙が見えて


はぁ、バカだな俺。
泣かせてどうすんだよ。








洸希「…うん、ごめん、もう俺帰るわ」



『洸希！ちょっと！』



洸希「焼肉今日行けそうにない。」



『待ってよ！』









まじで俺
どうしちゃったのかなぁ……。


明日休みでよかった。

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す