・ 004 ページ6
.
思ったよりも会議の中身が濃くて疲れた。てかやること多すぎて無理。
班長会議が終わって教室に戻り、自分の荷物を片付けて帰る準備をする。そうすればふらーっと私の前の席に座った。
え、なんで？って驚けば周りからめちゃくちゃ見られ始める。
だけどそんな私の戸惑いを気にすることなく私に優しく笑いかけて話し始める松村くん。
松村｢班長会議、思ったより大変だったね｣
『ね！やること多すぎだよね』
そうなんだよなぁ。めんどくさいんだもんなぁ。
修学旅行の休憩時間に10分間次の日の打ち合せして、報告会してって、かなりめんどくさい。
考えるだけで疲れる。
でも副班長なだけ救いだと思ってる。班長の隣にいてちょこっと感想言えばいいんだって。
だとしてもめんどくさいなぁ。
って思いながらふと時計を見た。
『あ、塾の時間やばいから私は帰るね』
松村｢え、｣
修学旅行前日まで塾入ってんのって驚かれる。
『まぁ、私おバカだから笑』
松村｢そうなの？笑｣
『そうなの。じゃ、私は帰る』
カバンにつけていた猫のストラップをいじいじしてた松村くんにそう言えばその猫の頭をポンポンと撫でて私を見上げて笑った。
松村｢うん。明日遅刻しないでよ？笑｣
『しないよ！笑』
バイバイと手を振る松村くんに私も手を振り返してその場を後にする。
『どんな、服着てこうかなぁ』
なんて、浮き足立って、いつの間にかニヤニヤしてて、いつの間にか松村くんと歩くことを考えて、いつの間にか明日を楽しみにしている自分がいた。
松村くんの私服ってどんな感じなんだろう。どんな服を着る女の子が松村くんの隣に立つんだろ。
帰り道、塾に行く道、塾から帰る道、ずっとそんなことを考えていた。
.
.
だけど、修学旅行で貴方と話すことは、無かったよね。
それも後から貴方は“もっと話せば良かったね”って、ずるい言い方をしたね。
私もだよって言えなくて泣いたのを今でも覚えてる。
修学旅行が終わり、長いはずの夏休みが塾で埋まりあっという間に過ぎた9月前半の頃。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 393人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに７つめの原石…も読ませて貰ってます！七瀬様のペースでご無理なく！ (2021年9月3日 16時) (
レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七瀬
| 作成日時：2021年9月3日 0時
