・ 025 ページ28
.
そこから、田中くんの面白いエピソードとか、普段の私と美波の話とか、口が止まることなく本屋さんに着いた。
『おお、雑誌コーナー広い』
松村「深澤さんって雑誌とかって見るの?」
『うん。割と読むよ。』
松村「へぇ」
また、きっと20分か30分だったと思う。
お目当ての本を見つけたのかお会計をしてる松村くん。
ふと、レジ横にある謎のキーホルダーを見つけた。
へぇ、108円なんだ。わ、緑色の招き猫なんだけど。ちっちゃくて可愛い。
って、鈴が付いているそれをチリリン、と鳴らす。
松村「お待たせ」
『見つかってよかったね』
松村「うん。着いてきてくれてありがとう。」
『いいえ』
本屋さんを出てすぐに松村くんがあっと声をあげた。
松村「ごめん、ブックカバーつけてもらうの忘れてた」
『戻る?』
松村「うん。でも深澤さんはここで待ってて。すぐ戻るから。」
『分かった』
ほんとにすぐ、5分も経たずに松村くんは戻ってきた。
松村「帰ろっか」
ここから私の家まで歩いて30分ちょっと。
あっという間なんだろうなぁ。
そう思いながら帰り道を歩き始める。
松村「…ねぇ、これあげる」
もう外は真っ暗で、冬の風が吹いている。
『…あ、これ』
さっきレジ横にあった108円のキーホルダー。
若干松村くんに似てるなって思う。
松村「これ、なんか深澤さんに似てるって思った」
.
393人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに7つめの原石…も読ませて貰ってます!七瀬様のペースでご無理なく! (2021年9月3日 16時) (レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七瀬 | 作成日時:2021年9月3日 0時