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松村「あ、もうここ家?」
『もうって言うか…まぁ結構歩いたけどね?』
学校を出たのが8時近くて、先生にこってり絞られたその時間すら一緒にいてくれた松村くん。
挙句の果てに遅くて暗いからって割と距離がある家まで送ってくれた。
松村「なんかあっという間だった」
『ありがとう、ほんとに』
松村「いいえ。無事に課題出せてよかったね」
『ほんと、松村くんのおかげだよ』
バイバイしなきゃなのに、お互い口が止まらない。
さっきまでずっと話してたのにこれでもかってくらい話すことが出てきて困る。
でもそろそろ帰らなきゃ、いくら男の子でも危ない。
そんな私の表情を読み取ったのか松村くんは少し黙った。
『あー、…えっ、と、』
松村「ねぇ」
『っ、はい、』
松村「明日って暇?」
『明日って、放課後?』
松村「そ。」
『塾ないし…暇だけど』
松村「じゃあ買い物付き合って。本屋さん行きたいんだよね」
『本屋さん?うん、いいよ』
松村「やった。ありがとう」
そんじゃ、明日の放課後ね。って言って背を向けた松村くん。
明日も会えるのに、バイバイが寂しくて仕方ない。
松村くんの背中に手を振っていればふと振り向いた松村くん。
ふはって笑って手を振り返してくれて、優しく言う。
松村「危ないから、早く家入りなさいよ」
『うん、』
でもまだ手を振っていたくてちょっと大きめに手を振る。
ははって大袈裟に笑ってみせた松村くんは私の真似をしてちょっと大きく手を振った。
歩き出した松村くんの背中を見て、あぁ、ほんとに好きだなって思う。
結局、曲がり角を曲がるまで私は手を振り続けた。
だって、5歩歩いて後ろを振り向いて手を振ってくるからタイミング失ったんだもん。
『あーあ、帰っちゃった、』
岩本「なに、彼氏?」
いつの間にか横にいたのか照くんが私の肩に手を置いて耳元で呟いた。
『わぁっ、!!びっ、くりしたぁ、』
岩本「いや驚きすぎだろ笑」
『照くん、久しぶりだね』
岩本「うん。今日はバイト早上がりだったからさ」
って言われてやっと気づく。
『今何時?』
岩本「もう9時過ぎてるけど」
『え、!!』
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つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに7つめの原石…も読ませて貰ってます!七瀬様のペースでご無理なく! (2021年9月3日 16時) (レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七瀬 | 作成日時:2021年9月3日 0時