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美波「本屋さん?」
『そ。着いてきてよ』
美波「まぁいいけど。珍しくない?活字あんま好きじゃないじゃん」
『そうなんだけど…読みたい本出来ちゃってさ』
塾から帰る道、美波を一緒に連れて本屋さんに来た。
どこだろう、なんて探してると店員さんになにかお探しですか?って声をかけられて。
でもどうしても自分で見つけたかったから頑張って探す。
美波「絶対店員さんに聞いた方が早いよ」
『それは分かってるんだけど…あ、あった』
見つけた小さな本。手触りが好きだった。
『ちょっと買ってくる』
美波「んー」
飽きたのか興味無さそうに雑誌のコーナーで美容雑誌を立ち読みしてる美波に声をかけてレジに向かう。
ブックカバーをかけてもらって丁寧に受け取る。
美波「今思ったけど、もうすぐ受験なのに本なんて読んでていいの?」
口調とは裏腹に口角は嫌味に上がってる。それを横目に見ながらいいの。って呟いた。
そういうところ照くんに似てるよね。
『夏休みいっぱい勉強したもん』
美波「いや、うちらの場合睡眠学習でしょ」
『ほんと変なところお兄ちゃん達に似ちゃったね』
美波「ね。お兄ちゃん達の高校でさえ私たち行けるか分からないの相当だよ」
『早く高校生になってお兄ちゃん達と同じ学校通いたい!』
美波「頑張ろ」
『うん!』
美波「ま、もちろんAと同じ高校に行くの楽しみっていうのもあるんだけどね?」
『それは大前提』
お隣さんに住んでいる岩本家は、お兄ちゃん同士も私達も同い年で、同じ病院で生まれた幼なじみ。
ママ同士もパパ同士も仲が良くて、昔からことある行事はずっと一緒だった。
『早くこの本読みたいなぁ』
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つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに7つめの原石…も読ませて貰ってます!七瀬様のペースでご無理なく! (2021年9月3日 16時) (レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七瀬 | 作成日時:2021年9月3日 0時