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康二くんのところへ向かう電車は、いつもなんかよりずっと長くて焦れったい。
はやく、はやく。
はやく…
会って、私はなんて言うつもり？
…目黒と話してたら無理矢理キスされたって？
抵抗もしなかったくせに？
またそうやって康二くんに泣きつくの？
頭がズキズキする。
何を考えても、どこをとっても、私が犯した罪は消えない。
さっきまで早く着いてほしいと思っていたはずなのに、もう永遠に着かなければいいなんて。
このままどっかに消えたい。
なんて思ってみても、電車は進むし駅は近づく。
車掌さんのアナウンスに思わず耳を塞ぎたくなった。
駅に着いたら、足は勝手に動いて、なんで走ってるのかなんて誰にもわからない。
だって私にもわからない。
改札を抜ければ、私を待つ影が見えて、そのまま飛びついた。
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作者名：平野 頼凛
| 作成日時：2019年9月21日 13時
